アジャイル開発とは?概要やメリット・デメリット、進め方を解説
システムやソフトウェア開発において新たに主流とされている手法、アジャイル開発。その名前から「早く開発できる手法」とまではイメージできても、具体的にどのような流れで実施するのか?どんなメリットがあるのかまでは分からない方も多いはずです。今回はアジャイル開発の概要やメリット・デメリットといった基本情報に加え、基本的な進め方や向いているプロジェクトについても徹底解説します。
アジャイル開発とは
アジャイル開発とは、システム・ソフトウェアを開発する手法の1つです。計画から設計、実装、テストという工程全般を「機能単位」の小さなサイクルで繰り返すという特徴があります。また、最初から「途中で仕様や設計の変更があること」を前提として、厳密な仕様は定めないまま計画を立てます。
アジャイル(agile)は「素早い」「俊敏な」などの意味を持ち、その言葉の通り最初は優先度の高い機能のみ着手して素早くリリースする手法となっています。これにより、プロジェクトの立ち上げからサービスインまでの期間短縮につなげていち早く事業を開始することが可能です。
アジャイル開発の歴史
アジャイルの概念は、アメリカの技術者・プログラマー17名より2001年に発表された「アジャイルソフトウェア開発宣言」をきっかけに広く知られるようになりました。
その宣言ではソフトウェア開発について、「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェア」「プロセスやツールよりも個人との対話」「計画に従うことよりも変化への対応」などに価値を置くことを提唱しています。
2000年からインターネットの普及が急速に拡大し、IT・ソフトウェアがビジネスの中心的な位置づけとなった現代、各企業のビジネスもまた急速に変革を遂げています。そのような中で企業が生き残るには、より迅速な手法でソフトウェアを開発・提供することが求められます。これに有効的な手法であるアジャイル開発は、ますます注目を集める存在となりました。
アジャイル開発とウォーターフォール開発との違い
システム・ソフトウェア開発の代表的な手法としては、ウォーターフォール開発が挙げられます。
ウォーターフォール開発とは、最初にすべての機能設計や計画を完全に固めたうえで、その計画に従い開発や実装を進めていくという手法です。アジャイル開発とは対照的に、最初から完璧なシステム・ソフトウェアを目指して時間をかけながら開発を進めることになります。その性質上、スケジュールに余裕をもって進める場合が多いため、予算の見通しやチームのアサイン計画が立てやすいことはメリットです。
しかし、ウォーターフォール開発は途中で仕様変更や修正といった追加対応が困難というデメリットもあります。アジャイル開発とは違い「プロジェクトが変化していくこと」を前提に開発を進める手法ではないため、追加対応の必要性が生じると1つ前の工程、場合によっては要件定義からやり直さなければなりません。
なお、アジャイル開発とウォーターフォール開発どちらのメリットも取り入れた「ハイブリッド開発」という手法もあります。ハイブリッド開発についての詳細は、こちらをご覧ください。
関連リンク:ハイブリッド開発手法(ウォーターフォール+アジャイルスクラム) – Hybrid Technologies Co.,Ltd.
アジャイル開発に向いているプロジェクト
上述の内容から、ウォーターフォール開発よりもアジャイル開発がメリットの大きい手法というイメージを持った方もいることでしょう。しかし、アジャイル開発にも向いているプロジェクトとそうではないプロジェクトがあります。
アジャイル開発の採用をおすすめしたいプロジェクトの特徴は、以下の通りです。
ユーザーの要求に応じて仕様変更するプロジェクト
アジャイル開発は最も重要な機能から着手し、リリースした後にユーザーから得たフィードバックに基づき、次のサイクルでそれを実現するというサイクルの繰り返しです。また、開発途中で得られたナレッジをもとに次のサイクルで改善を行うこともあります。
そのため、ユーザーのニーズが変わりやすい分野のプロジェクトとアジャイル開発は相性が良いです。
顧客がオーナーシップを発揮するプロジェクト
場合によっては、クライアントがプロジェクトへ参画するケースもあります。ウォーターフォール開発においてクライアントは、システムの最終チェックや経営層への橋渡しといった役割を担うケースがほとんどです。
一方でアジャイル開発は開発会社とクライアントが協力することの重要度が高く、開発会社に丸投の状態ではかえってスピードが落ちてしまう手法です。クライアントもプロダクトオーナーとして参画してくれるプロジェクトこそ、アジャイル開発のメリットを最大に引き出せるといっても良いでしょう。
継続的にリリースするプロジェクト
1度リリースしたら終わりではなく、長期で継続的に運用を続けていくプロジェクトにもアジャイル開発がおすすめです。たとえばWeb関連サービスやゲーム、アプリケーションなどのように、運用を続ける中で仕様変更の必要性や機能の追加・修正が生じるプロジェクトは、アジャイル開発で柔軟に対応できます。
逆に、企業の基幹システムや医療関連の機能など綿密に仕様を定めなければならないプロジェクトはアジャイル開発に不向きです。
チームが自己的に改善を行うプロジェクト
詳細は後述しますが、短いスパンの開発が終わるごとにチームで振り返りを行い、良い点や改善点を各メンバーが共有し、次回につなげるというのがアジャイル開発の基本的な流れです。要件定義の段階で正解を決めるのではなく、完成した部分をもとに少しずつ全体の完成形をつくっていきます。
そのため、最初から仕様の全体像が不明瞭で開発を進めながら改善を行うことを前提としたプロジェクトにアジャイル開発が適しています。
DX推進におけるアジャイル開発の必要性
2018年に経済産業省から発表された「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」の内容にもある通り、国内の企業ではDXを推進する重要性が高っています。DXとは、テクノロジーの進化に応じて変化する社会や生活の形に合わせてビジネスのあり方を再構築する取り組みのことです。DX推進を成功させれば、市場における競争上の優位性を確保することができます。
そのDX推進においても、アジャイル開発は注目されています。
DXはニーズの不確実性が高い状況からスタートして試行錯誤を繰り返す取り組みとなるため、実際に着手してようやく見えてくるポイントも多いです。さらに新しい技術やユーザーの意見を柔軟に取り入れなければ、DXの効果を高めることはできません。つまり、課題の抽出と試作の検証を短いスパンで繰り返すアジャイル開発はDX推進に最適ということです。
DXとは具体的に何なのか、DXを推進するために何をするべきなのかは以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
関連リンク:DX推進ガイドラインとは何か?内容と実現のためのポイントを徹底解説! | ハイブリッドテクノロジーズ
参照:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(METI/経済産業省)
アジャイル開発の流れ
ここでは、アジャイル開発の基本的な流れを工程ごとに解説していきます。
リリース計画
先述の通り、アジャイル開発は途中で仕様や設計の変更が生じることを前提に進めます。そのため計画の段階では綿密に仕様を固めず、おおまかな仕様と要求のみ決めるケースが一般的です。
リリース計画を立てるにあたって、以下の要素を決めたうえでどの機能をいつまでにリリースするのかを計画に落とし込みます。
- プロジェクトで実現したいこと(目標やゴール)
- イテレーションの長さ
- ベロシティの算出
- ユーザーストーリーの優先順位や工数
チームビルディングの実施
リリース計画を立てたら、プロジェクトに携わるメンバーを集めます。ここで注意したいのは、メンバーごとの「役割」と「責任」の明確化です。
各メンバーが担う役割を明確化しておくことで、作業や役割に対する意識が重複することを防げます。また、メンバーごとに「○○に責任を持つこと」と役割に応じた責任を明確化することで、コミュニケーションがスムーズになりメンバー間での責任転嫁や業務の押し付け合いが起こりにくくなります。
全体スケジュールの作成・リスト化
短い反復期間のスケジュールで実施できる範囲に、プロジェクトを細かく切り分けてリスト化します。反復期間はおよそ1~4週間程度とし、その期間は固定する場合が多いです。
イテレーション
上記までが準備段階にあたり、仕様・計画・スケジュールなどが決まったら「イテレーション」を繰り返して開発を進めていきます。イテレーションとは反復を意味し、アジャイル開発においては細かく切り分けた工程ごとに計画・実装・テスト・リリース・改善の流れから成るサイクルを指す言葉です。イテレーションごとに毎回機能をリリースし、細かに開発を進めていきます。
イテレーションの具体的な内容や理想的な期間などについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
関連リンク:イテレーションの意味とは?スプリントとの違いも解説 | ハイブリッドテクノロジーズ
次のテーマの検討
実施した開発についての作業プロセスに対する評価や反省点などを共有し、最初に決めた優先順位も加味しながら次回の開発テーマを検討します。「ふりかえり」とも呼ばれるこの工程は、次回以降の開発における効率や精度を向上させることが目的です。
アジャイル開発に関連して抑えておくべき用語
上述したアジャイル開発の流れの中で、いくつか見慣れない用語があったと思った方もいることでしょう。ここでは、アジャイル開発を実施するうえで知っておきたい2つの用語について解説します。
ユーザーストーリーとは?
ユーザーストーリーとは、アジャイル開発で「最低限の要件」として使われることが多い概念のことです。誰がどういった目的で何をしたいのか……という、開発したシステム・ソフトウェアの機能が叶えるべき体験などを短い文章で表します。
アジャイル開発で生み出すシステム・ソフトウェアはリリース後に見えてくるニーズに合わせて変更を加えていきますが、あらかじめユーザーストーリーを設定しておくことでそれが開発の軸となり、効率よく実装や検証を行えます。
ベロシティとは?
ベロシティとは、プロジェクトにおいて開発を担うチームが作業を進める速度・作業量のことを指す言葉です。具体的には1イテレーション内で完了できたユーザーストーリーの規模の合計を数値化したもので、開発完了見込みの時期や次のイテレーションで対応可能な作業量を判断する際の指標となります。また、チームの成長度合いを把握する際もベロシティが役立ちます。
ベロシティを運用するにあたって、直近の1イテレーションにおける作業量だけでなくある程度の期間を設けてベロシティの平均をとり、その数値を見ることが大切です。また、無理に数値を上げる(チームを成長させる)ようとしたり他のチームと数値を競ったりしないように注意が必要です。
アジャイル開発の主な手法
アジャイル開発は主に「スクラム」「エクストリーム・プログラミング」「ユーザー機能駆動開発」という3通りの進め方があり、重視するポイントによって異なる手法が用いられます。この3つはそれぞれどのような手法なのか、以下より詳しく解説します。
①スクラム
スクラムはアジャイル開発で最もポピュラーな進め方とされており、チームが一体となってプロジェクトを行うことを重視した手法です。その性質から、ラグビーにおけるセットプレーの1つ「スクラム( Scrum )」が語源となっています。
スクラムでは機能や改善要素などをリスト化した「プロダクト・バックログ」と、それをイテレーションごとに切り分けた「スプリント・バックログ」という2種類のバックログを使うことが特徴です。そして、各メンバーが当事者意識をもってリーダーや他のメンバーに責任を押し付けず、チームそのものが主体となってプロジェクトを進めていきます。
そのためチーム全体でコミュニケーションを取ることが非常に重要であり、対話が不足しているとプロジェクトの失敗につながる恐れがあります。
スクラムの詳細はこちらの記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
関連リンク:スクラム開発とは?アジャイル開発との違いやメリット・デメリットを解説 | ハイブリッドテクノロジーズ
②エクストリーム・プログラミング(XP)
エクストリーム・プログラミング(XP)は、事前に細かな計画を立てるよりも、仕様や要件の途中変更へ柔軟に対応することを前提にした手法です。開発者の視点を中心としており、柔軟な対応のために以下5つの価値基準をチームで共有します。
- コミュニケーション:開発者と顧客、開発者同士のコミュニケーション
- シンプル:シンプルなシステムを作成する
- フィードバック:実装したものに対するフィードバック
- 勇気:すでに作成したものを大幅に作り直す勇気
- 尊重:顧客やチームの仲間の意見を尊重する姿勢
③ユーザー機能駆動開発(FDD)
ユーザー機能駆動開発(FDD)とは、顧客にとって価値のある機能(フィーチャ)という観点から開発を進めて提供する手法のことです。
ユーザー目線に重きを置いており、まずは顧客がプロジェクトに求めることを明確化することから始まります。その要望を元に必要な機能を選定し、適切な計画を立てて開発を進めるというのが基本的な流れです。機能ごとにチームを分けて計画・設計のうえコーディングを行うため、大規模なプロジェクトにも対応しやすいという特徴があります。
そのため、開発計画の段階から開発会社とユーザー間で入念にコミュニケーションを取ることが重要となります。
アジャイル開発の特徴とメリット・デメリットについて
アジャイル開発は優れている点が多い反面、デメリットも存在します。メリットとデメリットのどちらも理解したうえで、プロジェクトに適した手法であるかどうかを判断することが大切です。
アジャイル開発のメリット
最初から完成形を目指して設計・計画を立てるウォーターフォール開発は、不具合が生じると大幅な手戻りを要するため時間やコストの増大につながります。
一方でアジャイル開発は、開発途中で不具合が生じても戻る工数が少なく迅速に対応できることが最大のメリットです。機能単位の小さなサイクルで設計からテストまでを繰り返しているため、テストで問題が発覚してもイテレーション内の工程を少し遡るだけで済みます。
また、アジャイル開発ではシステム・ソフトウェアの完成形に向けて開発会社とユーザーで何度もコミュニケーションを取りながら進めるため、満足度の高い成果物を得られます。
アジャイル開発のデメリット
アジャイル開発は仕様や要件ごとにスケジュールを決めて開発を進めるため、全体的なスケジュールを把握しにくいというデメリットがあります。場合によっては開発期間が長引くこともあるため、期限が明確に決まっておりリリースのタイミングをコントロールする必要があるプロジェクトには不向きです。
また、明確な仕様を決めないことは柔軟性が高まる反面、場当たり的な開発となってプロジェクトの方向性がブレてしまいやすいというリスクもあります。最初に定めた軸を意識し、無駄に工期を延ばすことがないよう方向性をコントロールすること求められます。
このようなデメリットを回避するには、アジャイル開発の経験があるプロジェクトマネージャーを中心に動くか、アジャイル開発に強い開発会社へ依頼することが大切です。
アジャイル開発はアプリ開発にも向いているのか?
Webアプリやスマートフォンアプリはニーズや流行り廃りの移り変わりが激しく、常に変更・
修正が求められる分野です。そのため、ウォーターフォール開発のように最初から仕様を完全に固めるよりも、短いスパンで手を加えていくアジャイル開発の方がアプリ開発に適しています。
企業や店舗が独自のサービスを提供するためにアプリを活用することが当たり前となりつつある現代において、アジャイル開発は時代に合った手法と言えます。
とはいえアジャイル開発にも得意・不得意があるため、ウォーターフォール開発のメリットも理解しながら必要に応じて使い分けたり組み合わせたりといった工夫も検討してみましょう。
アジャイル開発に強いシステム開発会社の見つけ方
一口にシステム開発会社といても、得意な業界・分野・手法は大きく異なります。多数の会社からアジャイル開発に強いところを見つけるには、インターネットで検索したうえで、ヒットした会社のホームページなどから実績を確認してみると良いでしょう。どうしても候補先の選定に迷う場合は、ビジネスマッチングサイトを活用するという手もあります。
また、アジャイル開発は自社と依頼先で綿密にコミュニケーションを取ることが重要となります。 RFP(提案依頼書)を提出した結果、その回答としてどのような提案がされるのか?提案や見積もり依頼時に担当者とスムーズに意思疎通ができたか?といったポイントにも注目すると、先方のコミュニケーション力・対応力が見えてきます。
ハイブリッドテクノロジーズの提供サービス
ハイブリッドテクノロジーズでは、ビジネスデザイン、UIUXデザイン、設計、実装、テスト、リリース、運用、保守まで一気通貫してサービスを提供しております。500名以上の経験豊富なエンジニアにより、迅速かつ高品質なシステム開発が可能です。 アジャイル開発、ウォーターウォール開発、ハイブリッド開発と言った様々な開発手法に対応しており、契約形態に関しましてもラボ型契約と受託型契約の2つから選択いただけます。お客様の状況や開発内容に応じて、開発手法と契約形態を柔軟にご指定いただけますが、それぞれの開発手法、契約形態の特徴の親和性から、アジャイル開発ではラボ型契約が、ウォーターウォール開発とハイブリッド開発では受託型契約を選択されるクライアント様が多数を占めます。
ラボ型開発について: ラボ型開発 サービス
受託型開発について: 受託開発 サービス
ハイブリッドテクノロジーズが選ばれる理由
弊社ではクライアント企業様及びエンドユーザー様の声を聞き、UIUXを意識したビジネスデザインを行なっております。 テーマを決めて分析し、仮説を立ててビジネスデザインを行い、プロトタイピング、検証、フィードバックを受け、再度分析から始める。 この一連の流れを、アジャイルスクラム開発に精通した500名以上のエンジニアが高速で回していくことにより、最速でより良いものを実現していきます。 ハイブリッドテクノロジーズには市場の声を現実にするための仕組みとメンバーが揃っています。
システム開発の成功事例
システム開発での成功事例をご紹介します。
見守りサービス (株式会社otta)
サービス内容
位置情報履歴を、無料スマホアプリやメールを通じて保護者様に伝えるサービス
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
共働き世帯や高齢者の増加など、社会構造の変化により、子どもや高齢者の見守りへのニーズが急速に高まっている。一方で、見守る方々の高齢化や地域コミュニティの変化により担い手は減少方向にあり、この需給ギャップを埋めるには、見守りの仕組みの生産性を大幅に向上させなければならない。
目指したいサービス
IoTを活用した見守りサービスのパイオニア企業として、見守り活動の生産性の飛躍的な向上に貢献するとともに、従来のサービスでは困難であった、多くの方々にご利用いただける料金体系を目指すこと。
クライアントの課題/要望
・追加開発体制のリソースが不足している
・既存ベンダーの開発チームと組み合わせながら、チームを構築したい
・事業状況に応じて柔軟にリソースを調整したい
当社を選択していただいた理由
キャピタル案件であり、HTからの投資次第で開発も頼みたいという理由から
当社ご提案内容
業界ラボ型(ストック)開発+保守にて提案
toB向け見守り管理システム開発
・今後の基盤変更も意識しながら登園バス管理システムの管理画面を作成し、サービス展開をしていきたい
・今後の開発体制構築も視野に入れつつまずはスモールに体制を構築しつつ今後の足掛かりとしたい
リソース活用し柔軟に対応できることと、javaを中心に進めていたが、よりモダンな言語を基盤に開発を進めたいという要望に対し、得意分野であった。
学習履歴データの可視化システム(放送大学学園)
サービス内容
学習履歴データ可視化システムの開発
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
オンライン授業システムのデータベースには多量の学習履歴データが蓄積されており、このデータを学内の担当者が活用できるよう整備し、学生指導のためのヒントとして、あるいは学生に受講を促すための情報源として活用したいという意向があった。
目指したいサービス
・学外に開示する「サービス」ではなく、学内担当者用の「ツール」であること
・コマンドラインで操作可能なツールであること
・追加機能の実装をできるようにすること
クライアントの課題/要望
・社内で開発体制を保持していないこと
・金額をミニマムに抑えながら安定的な運用を実現したい
当社を選択していただいた理由
充分に仕様を満たす提案内容と他社と比較して最も安価な金額で入札提示したため。
当社ご提案内容
学習履歴データベースとBIツールの開発
オンライン授業システムのデータベースに蓄積された学習履歴データを活用するにあたって、実運用されているDBの処理とバッティングしないように、MongoDBに格納する処理にて開発を進めました。またMongoDBにデータを格納する際、他データとの連携も考慮し、汎用的なExperienceAPIに準拠したデータ形式を採用しました。
個人情報の扱いにおいては、開発人員含め、学生の個人情報の漏洩を防ぐため、学生の識別子を匿名化しての実装を実施しました。
DocIT (株式会社ドキットメディカルサービス)
サービス内容
働き口を探す医療従事者と、働き手を求める病院をつなぐマッチングプラットフォーム
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
高額な紹介料がネックとなりスポットで人が必要な際に苦心をする病院の課題解決
目指したいサービス
休日や長期出張の空き時間を有効活用したい医師と、長期連休などで一時的に人手が必要となる病院をマッチングすることで医師の働き方の多様化を実現するサービス
クライアントの課題/要望
・サービス構想はあるが、実現させる開発パートナーが必要
・上流工程からの開発サポートが必要
当社を選択していただいた理由
開発にあたってサービス設計から本開発まで、一緒に伴走し考えながら開発してくれるパートナーとして安心感を感じて頂き、当社を選ばれました。
当社ご提案内容
ラボ型(ストック)開発にて提案
1.医療求人の性質を鑑みた機能提案、システム設計・開発
本サービスでは失敗の許されない医療系求人を取り扱うため、求人マッチングをする前に信頼のできる医師・病院であることを確認できることが重要となります。 そこで、実際に求人マッチングした医師・病院による相互レビュー機能を実装することで、信憑性の高いレビュー情報を蓄積することを提案・実現しました。 また、求人マッチング前に病院担当者と直接チャット出来る機能も実装することでレビューでは分からない定性的な情報確認も可能としました。 アジャイルスクラム手法の開発を取り入れることにより、システム開発の進捗報告を実際に動くシステム画面をお見せしながらデモンストレーション形式で毎週行いました。
2.定期的なスプリントを繰り返し、顧客と一緒に品質を高めるプロセスにて進行
実際に動くシステムを毎週見ていただくことで、開発進捗についての安心感やお客様も気がついていなかった新たな改善点がを発見でき、それを修正して再度デモンストレーションを行いました。この一連の流れを回すことで、お客様の求めるものを高い品質でご提供しました。
3.デザインを用いた視覚的なアウトプットで、具体的なシステムイメージを共有
Webサービス開発に初めて挑戦するお客様のため、お客様が思い描くビジネスを実現するためのシステムイメージを具体化していくデザインサポートも担当。求人情報サービスという特性上、さまざまな情報要素が混在する中で、目に見える形でデザインを整理・提案し、お客様からのフィードバックを受け、再提案を繰り返すことで、よりユーザーにとっての最適なWebサービスのための設計・提案・実現を行いました。
THINK, Reviewers (株式会社スパイス ボックス)
サービス内容
独自の「ソーシャルリスニング」手法をもって、企業と生活者の 間に生きたコミュニケーションを構築するサービス
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
インフルエンサーの評価指標としてフォロワー数とエンゲージメント数が重要視されているケースが多いが、商品販売施策においては保存数が重視される。保存数を把握した上でインフルエンサーと企業のマッチングを行うプラットフォームが存在していなかったため、新たなサービスとしてスピード感を持ってサービス開発を行いたい。
目指したいサービス
・サービス名「THINK」:Twitter調査における既存システムの安定的かつ継続的な運用を維持しつつ、インフラコストを削減すること。
・サービス名「Reviewers」:インフルエンサーマーケティングで投稿保存数という指標を重要視するインフルエンサーマッチングプラットフォームの新規立ち上げをすること。
クライアントの課題/要望
・開発が発生した際に、都度RubyonRailsの対応人員を増やすのが難しい
・インフラ周りに強いメンバーがいない
・金額をミニマムに抑えながら安定的な運用を実現したい
・追加開発が発生した場合には、知見を維持した状態で取り組める体制がほしい
当社を選択していただいた理由
・開発リソースの柔軟性とインフラなど対応範囲の幅広さが先方ニーズにマッチしていたこと
・定常運用の際にもコストを抑えて対応できること
当社ご提案内容
受託型開発(フロー)にて提案
インフラ知見を持つディレクション人材をアサインメントすることで、インフラ周りの調整や業務対応にスピード感を持って対応できる体制を構築
インフラ/保守/開発を幅広く対応可能、かつ、コストミニマイズなオフショア体制をご提案しました。
ディレクション人材がインフラの知見を持ち、定常作業はベトナム側で行えるようにマニュアル化を行い、コストミニマイズしながらも幅広い知見を活かせる体制提案を行いました。
新規の開発が発生した際に、既存チームの知見を活かしながら適宜開発者を追加して、素早く開発を実行できる体制を実現しました。
その他システム開発事例
ハイブリッドテクノロジーズでは、その他にもモバイルアプリや業務用アプリケーションまで、多種多様な290社以上の制作実績がございます。
システム開発をご検討の方はぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
アジャイル開発とは最低限の要件のみ設定したうえで、機能ごとに短いスパンでの開発を繰り返す開発手法のことです。途中で仕様変更などの追加対応が生じることを前提としているため、よりニーズに合った成果物を得られるだけでなく開発期間の短縮にもつながります。DX推進の重要性が説かれる近年の情勢、そして自社サービスにアプリを導入する企業の増加に伴い注目度が高まっている開発手法です。しかし従来のソフトウェア開発において主流とされていたウォーターフォール開発もアジャイル開発にはないメリットがあるため、各手法の特徴やメリット・デメリットの理解を深めて上手に活用しましょう。