VC(ベンチャーキャピタル)ファンドとは?ファンドとの違いも解説
ビジネスの場などで「システム開発」とよく耳にはしますが、具体的にどんなことをやっているのでしょうか。本記事では、システム開発の流れや職種などについて解説します。また、システム開発を外注する際の注意点や、成功事例についてもあわせてご紹介します。
VC(ベンチャーキャピタル)とは
ベンチャーキャピタルとは、将来的に成長が見込めるベンチャー企業やスタートアップ企業に対して投資を行う組織です。正式名称を「Venture Capital」といい、これを略した「VC」という呼び名が使われることもあります。
起業したばかりの企業は実績がないため金融機関から借入できない場合が多く、資金調達が難しいものです。そうした企業でも必要な資金を調達できる手段のひとつとして、VCが挙げられます。
一口にVCと言っても様々な種類があり、運営母体や投資対象分野などが異なります。
日本国内における主なVCの種類は、以下の通りです。
・独立系VC:親会社をもたず独自に投資を行うVC
・金融機関系VC:地方銀行やメガバンクなど金融機関を運用母体とするVC
・コーポレートVC(CVC):事業会社を運用母体とするVC
・政府系VC:政府や地方公共団体を運営母体とするVC
・大学VC:大学や研究機関関連の未上場企業に対して投資を行うVC
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ファンド(投資ファンド)とは
ファンドとは複数の投資家から集めたお金をひとつの資金としてまとめ、企業に投資して得た利益を投資家に分配する仕組みのことです。集めた資金をどのような企業へ投資するのかは、ファンドごとの運用方針に基づいて専門家が判断します。
ファンドは大きく「公募ファンド」と「私募ファンド」の2種類に分けられます。
公募ファンドとは多くの(不特定多数の)投資家から資金を集めて運用する仕組みで、投資信託などが代表的な例です。個人の投資家では扱えないような海外の金融商品に対しても分散投資できること、銀行や証券会社で誰でも少額から投資できることがメリットとして挙げられます。
一方で私募ファンドは少人数または特定の投資家に限定して資金を集め、運用する仕組みです。特定の適格機関投資家を対象とする「適格機関投資家私募(プロ)」と、49人以下の投資家を対象とする「一般投資家私募(少人数私募)」があります。私募ファンドは少数の投資家から資金が集められているため、出資者が頻繁に入れ替わらないことが特徴です。
VC(ベンチャーキャピタル)とファンド(投資ファンド)の違い
ファンドとVCは対立するものではなく、ファンドの種類にVCが含まれます。
ファンドの種類はVCの他にも、非上場企業を投資対象としているPEファンドや、事業再生ファンドなど様々なものがあります。投資の対象がVCのようにスタートアップ企業でも、上場企業でも、ファンドであることには変わりません。
投資対象となる企業が成熟しているか、成長しているかなどのステージによりファンドの種類が異なると考えておくとよいでしょう。
なお、VCは未上場のスタートアップ企業やベンチャー企業へ投資を行い、新規公開株で利益を得ることを目的としています。VCは利益を得るために投資先企業の経営に関わることで業績向上を図り、株式を上場し、その株価が十分に上昇した段階で投資先企業との関係を解消します。
ファンド(投資ファンド)が行う投資の種類
プライベートエクイティ投資
プライベートエクイティ投資はPEファンドとも呼ばれる投資の手法です。未上場企業に投資を行い、投資先の企業の価値を上げて株価が上昇した際に売却することで利益を得ます。
創業から間もない企業に対して投資を行うプライベートエクイティ投資に関しては、ほとんどVCと同じと捉えて良いでしょう。
バイアウト投資
バイアウト投資は、ある程度成熟した企業への投資で用いられる手法です。特に経営不振や後継者不足といった問題を抱えた企業が対象となることが多く、ファンドは経営に参画して企業の再生を進めます。最終的に投資先企業の価値を向上させ、高値で売却をして利益を得ることを目的としています。
技術や成長性があるにもかかわらず経営不振となっている中小企業は、金融機関から借り入れを受けることが難しくなります。そこで有効的な手段として挙げられるのが、バイアウト投資です。なお、黒字企業や成長の著しいスタートアップ企業もバイアウト投資の対象となることがあります。
企業再生投資
企業再生投資は、新規事業が失敗したり債務超過による経営不振に陥る企業を対象とする投資のことです。再生可能な事業を切り出して立て直しを行います。
多くの場合はファンドから対象企業へ企業再生の専門家を派遣し、経営方法の改善をサポートします。そうして対象企業を再生させてから株式公開や株式譲渡を行い、収益を上げるのが目的です。
VC(ベンチャーキャピタル)が企業に出資する2つの方法
自己資金で出資する
VC自身が保有している資金を使い、対象企業に投資を行う方法です。投資家から出資を受けているわけではないため、VC側は比較的自由に投資の意思決定をすることができます。
自己資金での出資の場合は投資回収期限が明確に設定されなかったり、投資の利益をファンドに再投資するなどして投資を継続するケースも存在します。
ファンドを組織して出資する
VCが無限責任組合員となり、ファンドを組織して投資家から出資のための資金を集めるという方法です。有限責任組合員から出資を受け、VCはそのファンドマネジメントを行って対象企業へ投資を行います。
VCは出資者と組合契約を締結し、決められた投資期間内に投資を行います。そのため、VCは契約期間内に投資した資金を回収しなければなりません。
VC(ベンチャーキャピタル)やファンド(投資ファンド)を利用するときの注意点
VCやファンドから投資を受けるにあたって、以下の点に注意が必要です。
・利用を検討しているVCやファンドは実際に企業を成長させた実績があるか
・ファンドに買収される場合、人員のリストラが発生する可能性はないか
・ファンドに買収される場合、買収先と自社のカルチャーに乖離がないか
VCやファンドはファンドマネージャーや運営者によって専門分野が異なる他、投資先企業のステージによって得意・不得意が存在します。どのような企業を成長させた実績があるのかを確認したうえで、投資を受けることが大切です。
また、ファンドに買収される場合は企業にどのような影響が及ぶのかという点にも注意しましょう。
VC(ベンチャーキャピタル)やファンド(投資ファンド)から出資を受けるメリット
VCやファンドから出資を受けることで、以下のメリットが得られます。
・経営ノウハウの共有やノウハウを持った人材の派遣が受けられる
・資金調達を受けて財務基盤を改善できる
VCやファンドから経営ノウハウが共有されたり、ノウハウを持つ人材の派遣を受けられることがあります。そのため投資先企業の成長や企業価値向上を促進することが可能です。
また、出資を受けたことで財務基盤が改善すれば、金融機関から融資を受けられる可能性が高まります。そのため、将来的な追加の資金調達が行いやすくなるというメリットも生じます。
ただし出資元によって上記のメリットを得られるか否かは異なるため、利用する前によく確認しておくことが重要です。
ハイブリッドテクノロジーズの提供サービス
当社はデジタルプロダクト開発における多くの実績があり、日本とベトナムのリソースを融合して顧客のDXを支援する「ハイブリッド型サービス」を展開しております。当社・投資先企業のどちらも事業シナジーが最大化されることを目的にとする事業です。
「資金調達の難航」「社内リソースの枯渇」「他企業とのネットワーク不足」という課題を抱えるスタートアップ企業は少なくありません。
初期のMVP開発や成長期のプロダクト開発について当社のリソースを提供しつつ、課題解決へ向けてワンストップでの対応にてサポートいたします。
ハイブリッドテクノロジーズが選ばれる理由
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当社が運営する「Hybrid Technologies Capital」では出資に留まらず、プロダクト開発経験に基づいた優秀なエンジニアチームを短期間で組成することもできます。
このことから、スタートアップにおいて不可欠なスピード感のある企業成長が可能です。なお、ファンド償還期間は設定していないため、ハンズイフのスタイルでベンチャー企業のサポートを定期的に行っております。
まとめ
VCとは、スタートアップ企業や未上場のベンチャー企業に対して投資を行う組織のことです。そのような企業が資金調達を行う上での手段として「投資ファンド」も上げられますが、VCは投資ファンドの一種と考えてよいでしょう。VC以外にも、バイアウト投資や企業再生投資といったものが存在します。VCやファンドによっては経営ノウハウの共有を受けられたり財務基盤の改善につながるなどのメリットを得られますが、同時に出資元の実績やファンドに買収された場合のリスクについて注意が必要です。ご自身にあった方法で資金を調達し、企業の成長を進めていきましょう。