SDGsとDXの関係性について、共通点や課題を徹底解説
DXとは?定義について
DXはデジタルトランスフォーメーションの略であり「デジタル技術の発達が人々の生活をよりよくすること」を指します。 近年では、ビジネス用語として認知されていることが多く「デジタル技術を活用して、組織を変革すること」という見方をするケースも増えてきました。生産性の向上や人手不足の解消、ビジネスの拡大などにおいて、DXの概念は欠かせないものとなりつつあります。
DXについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連リンク:デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進したい
経済産業省によるDXの定義
経済産業省の発表した「DX推進ガイドライン(デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン)」の中では、DXの定義を以下のように説明しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること |
引用:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx_guideline.pdf
DX推進に必要な意識づけと目的の設定
DX推進のポイントは、テクノロジーを導入するだけではなく、導入を通じて組織を変革するという部分にあります。
DXをうまく推進できていない企業の特徴として、システムやデジタル機器などを導入することを目的と捉えてしまっている点が挙げられます。しかしDXにおいては、デジタル技術を活用することで組織に何らかの変革を起こすことが求められるでしょう。
DX推進を行うプロジェクトを立ち上げる際はこの点を意識し、目的を正しく設定することが大切です。
DX推進ガイドラインについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連リンク:DX推進ガイドラインとは何か?内容と実現のためのポイントを徹底解説!
SDGsとは何か?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能なよりよい社会を目指すために定められた目標です。2015年の国連サミットで採択され、2030年までの実現を目指して国際的に取り組まれています。
日本では「持続可能な開発目標」と呼ばれ、メディアでの報道や企業の取り組みなどを通じて、認知度を拡大させてきました。
SDGsが解決を目指す目標17つ
SDGsで掲げられている17つの目標を、主な内容とともに紹介します。
目標 | 主な内容 |
貧困をなくそう | 世界中で極度に貧しい暮らしをしている人たちをなくす |
飢餓をゼロに | 誰もが栄養のある食料を十分に手に入れられるようにする |
すべての人に健康と福祉を | 誰もが健康で幸せな生活を送れるようにする |
質の高い教育をみんなに | 誰もが公平に、よい教育を受けられるようにする |
ジェンダー平等を実現しよう | 男女平等を実現する |
安全な水とトイレを世界中に | 誰もが安全な水とトイレを利用できるようにする |
エネルギーをみんなに そしてクリーンに | 誰もが安くて安全なエネルギーをずっと利用できるようにする |
働きがいも経済成長も | 経済成長を進め、人間らしく生産的な仕事ができる社会にする |
産業と技術革新の基盤をつくろう | 災害に強いインフラ・新しい技術による安定した産業化を行う |
人や国の不平等をなくそう | 世界から格差を減らす |
住み続けられるまちづくりを | 災害に強く、誰もがずっと安心して暮らせる町を作る |
つくる責任 つかう責任 | 生産者も消費者も責任ある行動をとる |
気候変動に具体的な対策を | 気候変動から地球を守るための対策を行う |
海の豊かさを守ろう | 海の汚染を防ぎ、海の資源を大切に使う |
陸の豊かさも守ろう | 多様な生物が生きられる陸の豊かさを守る |
平和と公正をすべての人に | すべての人が法制度で守られる平和な社会を作る |
パートナーシップで目標を達成しよう | これらの目標を世界の全ての人が協力して達成する |
参考:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/
日本におけるSDGsの現状と課題
日本においては、2016年にSDGs推進本部が設置され、さまざまな分野の有識者が「SDGs推進円卓会議」の中で議論を行ってきました。SDGsの達成期限である2030年に向けて、取り組むべき具体的な内容をまとめた「SDGsアクションプラン2020」が2020年に定められています。このアクションプランのポイントは、以下の3つです。
・ビジネスとイノベーション~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~
・SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
・SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
現在は多くの企業がSDGsに取り組み、理解のある企業であることをアピールしています。しかし「企業イメージを向上することが目的となっている」「経営の安定していない中小企業は取り組みにくい」などの課題が生じていることも事実です。
IT技術を使ったビジネスの変革という意味では、SDGsはDXと似た側面があります。DXにおける現状と課題については、こちらの記事も参考にしてください。
関連リンク:日本企業のDX推進に向けた課題と解決策は?わかりやすく解説
SDGsとCSRの違いについて
CSR(Corporate Social Responsibility)は「企業の社会的責任」を指す言葉です。企業活動を行う上では利益を上げることが欠かせませんが、それと同時に、市民として以下をはじめとする社会的責任も果たすことが求められます。
・人権を守る雇用
・地域社会への貢献
・環境への配慮
これらの社会的責任は消費者に対してだけではなく、あらゆるステークホルダー(利害関係者)に対して果たす義務があります。
社会的な責任という点で、SDGsとCSRは似たようなイメージで捉えられることもあります。しかしSDGsは、企業の中核となるビジネスで果たすべき責任を意味します。それに対して、CSRは本業となるビジネス以外の部分で果たすべき責任を指すという違いがあります。
SDGsとDXの関係性
DXもSDGsも、豊かさを達成することを目標としている点は似ています。経済的・社会的な豊かさを目指すという意味では、目指しているものは同じです。
また、DXは「SDGsを実現する方法の一つ」として捉えることもできます。前述した日本政府のアクションプランの中にも「ICT分野の研究開発、AI、ビッグデータの活用」という言葉が盛り込まれ、DXがSDGs実現のポイントとなると認識されています。
Society5.0とは
SDGsやDXに関連する概念として「Society 5.0」があります。Society 5.0は日本政府や経団連が提唱する概念であり「AIやIoT、ロボット・ビッグデータなどのデジタル技術を、あらゆる産業や社会に取り入れることで実現する新たな社会」を意味します。
参考として、これまでの人間社会は以下のような流れで発展してきました。
・狩猟社会(Society 1.0)
・農耕社会(Society 2.0)
・工業社会(Society 3.0)
・情報社会(Society 4.0)
社会が発展する歴史の中で、新しい社会の姿であるSociety 5.0が生まれることが示唆されています。デジタル技術が活用され、全ての人が質の高い生活を送ることが可能な社会が訪れるかもしれません。このSociety 5.0を実現する手段として、DXによる社会の変革が大いに期待されています。
SDGsのDX推進による今後の展望
DXによって企業や社会のあり方が変わり、新たなデジタル技術を使いこなすことが当たり前の世の中になれば、現状の社会問題が解決していく可能性があります。
例えば、飲食店でデータ分析ツールを導入することで、来店数や注文商品などを予測できるようになります。データに応じてスタッフのシフトを組むことで、スタッフがより働きやすい環境が整うでしょう。また、来店数などに応じて仕入れを調整すれば、フードロスの削減にもつながります。
このように、DXはビジネスの変革のみならず、SDGsで掲げる未来の社会を達成するプロジェクトと言えます。
ハイブリッドテクノロジーズの提供サービス
ハイブリッドテクノロジーズは、以下をはじめとするサービスを提供しています。
・ビジネスデザイン
・UIUXデザイン
・設計、実装、テスト、リリース
・運用、保守
システム開発やウォーターフォール開発、ハイブリッド開発まで、さまざまな開発手法に対応します。また、契約形態はラボ型開発・受託型開発からお選びいただけます。
お客様の状況や開発する内容に応じて、開発手法や契約形態を選択し、柔軟な開発を行います。弊社は優秀なエンジニアを500名以上抱えているため、すばやく高品質なシステム開発が可能です。
ハイブリッドテクノロジーズが選ばれる理由
クライアント企業様やエンドユーザー様の意見を伺い、UIUXを意識したビジネスデザインを行います。
課題の分析や仮説立てからスタートし、プロトタイプを開発します。フィードバックを受けて再度分析を始めることで、よりよい品質のシステムを開発することが可能です。また、システム開発に精通した500名以上のエンジニアによりこれらのサイクルを回していくことで、スピーディーな開発を実現します。
弊社にシステム開発をお任せいただくことにより、社内におけるDX推進、ひいてはSDGs推進にもつながることでしょう。
システム開発の成功事例
システム開発での成功事例をご紹介します。
外国人の方の利用に特化した就職・進学ポータルサイト(株式会社GIG)
サービス内容
外国人の方の利用に特化した就職・進学ポータルサイト
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
今まで運用していたサイトが古く、メンテナンスが困難な状況だったことに加え、手作業で行っている部分が多くあるという背景からフルリニューアルで刷新することが課題であった。
目指したいサービス
今回開発する外国人向け就職・進学ポータルサイトにより、管理側および利用ユーザーにおいて以下の価値の提供を可能にすること。
・管理側は、アカウント情報の管理をシステム化し業務効率化を図ることができること。
・利用ユーザーは、多言語に対応した的確な情報をもとに就職・進学の手厚いサポートが受けられること。
クライアントの課題/要望
・開発部分のリソースが不足している
・予算やスケジュールに柔軟に対応していきたい
当社を選択していただいた理由
当社の幅広いリソースとスピード感を持った開発体制を評価いただいたこと
当社ご提案内容
外国人向け就職・進学ポータルサイトの開発
デザインや設計といった上流部分は、GIG社を中心に担当し、実装フェーズに移った際、円滑なスタートができるよう要件定義フェーズの一部において、日本人PMをアサインし、サポートしました。
実装フェーズではGIG社のライブラリを活用しつつ、ベトナムBrSEを中心にバックエンド、フロントエンドの開発を行いました。
まぐまぐ!リーダーアプリ (株式会社まぐまぐ)
https://www.mag2.com/app/reader/
サービス内容
まぐまぐ!で登録したメルマガコンテンツとまぐまぐ社が運営するメディアを手軽かつシームレスに閲覧できるスマートフォンアプリ「まぐまぐリーダー」
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
メルマガはメールのみ、メディアもそれぞれ独自のWebを持っているためユーザービリティが良くない点
目指したいサービス
まぐまぐ!で登録したメルマガコンテンツとまぐまぐ社が提供する4つのニュースメディアを横断して手軽かつシームレスに閲覧できるサービス
クライアントの課題/要望
・新規アプリ開発リソースの不足
当社を選択していただいた理由
内製での開発リソースを保持されていないことと、当社の幅広いリソースとスピード感を持った開発体制が、まぐまぐ様の開発ニーズに合致したため、当社を選ばれました。
当社ご提案内容
ラボ型(ストック)開発+保守にて提案
1.メルマガやニュースメディアといった多様なユースケースに、細やかに対応する開発体制
メールマガジン配信プラットフォーム事業の理解と学習から始まり、要件定義・設計・開発までをアジャイルスクラム開発で担当し、1週間ごとにクライアント様と成果物のレビュー会を行うことで、フィードバックを早いサイクルで受けることで、ユーザーの期待を超える価値体験を追求いたしました。 記事を読むという観点ではニュースサイトなどのメディアに分類されるサービスではありますが、既存の媒体がメールであるためにユースケースには多様性がありました。
2.毎日読む情報収集アプリとしてのファインダビリティとユーザービリティを考慮したUX・UI設計
メールアプリで閲覧するものだったメルマガをスマートフォンアプリで軽快に閲覧できる機能と、まぐまぐ社が提供する4つのニュースメディアを横断して閲覧できる機能を両立しつつ、スムーズに情報収集を行えるUX・UI設計を行いました。メインペルソナである多忙なサラリーマンの方の情報収集アプリとして、短時間での閲覧でも読みやすい視認性や可読性を重視した白基調の配色とタイポグラフィの設定を行い、ボタン類のアクション要素は見落とされない配色設計や、押しやすいサイズ設計、リアルタイムデータベースを使用した同期的な処理、まとめ読みや読み返しが快適にできるようにローカルデータベースを使用したオフラインファーストな設計をすることで既存サービスのユーザー体験をスマートフォンアプリでも損なわないように配慮しました。
Fimple Credit (H.I.F.株式会社)
https://www.hifcorp.co.jp/fimple-credit/
サービス内容
与信における企業信頼度を可視化するWEBサービス
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
難解な債権回収リスクの与信判断を、AIを活用して効率化・高精度化できるかという点
目指したいサービス
H.I.F社が独自に収集したデータを元に各企業の与信における信頼度をスコア化し、Web上で手軽に検索・確認することを可能にするサービスを目指しました。
クライアントの課題/要望
・開発リソースの不足
当社を選択していただいた理由
別案件での提案の際のデザイン案が非常に良かったことがあり、短納期の中でも充分に任せられるスピードとクオリティと判断頂き、当社を選ばれました。
当社ご提案内容
ラボ型(ストック)開発にて提案
密なコミニケーションで最適な上流設計を提案
デザイン作成と合わせて画面遷移図と、各画面の要件定義資料の作成を実施。開発フェーズを担当するベンダーへの詳細説明まで弊社が行うことでお客様のシステム開発全体が滞りなく進むよう配慮いたしました。 また短納期ということもあり、お客様からフィードバックをいただく機会を通常以上に密に設けました。早い段階での問題発見・方向修正を心がけ、最適なユーザー体験をクライアント企業様と一緒に、練り上げることができました。
Web 相談予約システムの新規構築(大手物流会社)
サービス内容
窓口相談を事前に予約できるWebアプリ
窓口での相談日時を利用者が事前に予約できるようにし、企業と顧客双方にとって利便性を向上するWebアプリの開発案件です。
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
利用者からの問い合わせは、常に窓口で対応している背景があり、
窓口で順に受け付けていたが、待ち時間が長く、顧客から不満の声が上がっていた。
目指したいサービス
・顧客の利便性(満足度)を向上すること。
・システム導入の周知により金融相談業務の認知度を向上させること
・システム導入による効率的な要員配置を目的として、顧客がWeb 上で事前に金融商品に関する相談日時を予約できるシステムを新たに構築すること
クライアントの課題/要望
・社内で開発体制を保持していないこと
・Salesforceを業務の基幹システムとして利用されているため、Saleforceでの機能開発が必須
・金額をミニマムに抑えながら安定的な運用を実現したい
当社を選択していただいた理由
・日本国内での開発より大きな価格メリットがあったこと
当社ご提案内容
受託型開発(フロー)にて提案
1.Salesforceを活用し、ミニマムコストでスピード感を持った機能開発
Salesforceを活用することで0からインフラを構築せずに素早く開発環境を作成することが出来ます。Salesforceの標準機能を基に必要な機能をカスタマイズして開発することで、スピーディな開発〜実装を可能としました。
2.プログラム実装前にプロトタイプ作成し、スピードを保ちつつ認識ギャップを防止
プログラム実装前にプロトタイプを作成することで、リリースというゴールまでスピード感を保ち、的確にコミュニケーションをおこないながら、認識ずれが生じないよう努めました。
3.Salesforce準拠のセキュリティ基準を担保
開発と合わせ、Salesforce準拠のテストコードを作成し、テストを実施することで、リリース後の不具合が発生しにくく、運用保守コストも抑えることができます。またすでにクライアント様が使用されているSalesforceの機能拡張のため、セキュリティー面は今までと同様のものが担保されます。安心感を持ってシステムをご使用いただき、クライアント様、エンドユーザー様双方からご好評いただいています。
まとめ
デジタル技術を用いてDXを推進することで、SDGsを推進することに貢献できます。企業にとっても、スタッフの働き方の改善や生産性の向上など、さまざまな恩恵を受けることができるでしょう。
DXやSDGsに取り組むことは、新たな時代において企業が生き残っていくため必要不可欠とも言えます。時代の変化に対応していくためにも、早めの取り組みをおすすめします。