アプリ開発費用はいくらかかる?費用の内訳やコスト削減方法などを解説
アプリ開発の費用相場について
アプリ開発をするにあたって、費用はどれくらいかかるのでしょうか。ここでは、アプリ開発における費用相場について解説します。
スクラッチ開発の費用相場
アプリ開発には、大きく分けて「スクラッチ開発」と「クラウド型開発」という2パターンが存在します。アプリ開発会社に、開発を1から手掛けてもらう手段をスクラッチ開発、すでに開発済みの機能を組み合わせてアプリを作る手段をクラウド開発といいます。
スクラッチ開発の場合、依頼費用の相場としては以下の通りです。
・ゲームアプリ:300万~1,000万円
・SNS系アプリ:500万~1,000万円
・ECアプリ:1,500万円以上
搭載したい機能やアプリを構成する要素などによって開発規模が異なるため、ジャンルによって費用に大きな幅が生じます。特にECアプリはユーザー認証や決済機能、購入履歴機能など多くの機能が必要になるため、他のジャンルよりも費用が高額になる傾向があります。
スモールスタートという選択肢
アプリ開発には決して少なくない費用がかかるため、なかなか依頼に踏み込めないという方もいると思います。その場合におすすめしたい手段が、「スモールスタート」です。
アプリ開発におけるスモールスタートとは、必要最低限の機能だけを搭載したアプリで運用を開始することです。外部へのシステム連携・会員連携・POS連動など、なくてもアプリの利用に支障をきたさず、かつ初期費用を高額にする恐れのある要素を省きます。
そのうえでリリース後は利用データを分析しつつ、新たに必要と思える機能を増やしていきます。
クオリティの高いアプリとは、必ずしも機能が豊富なアプリを指すわけではありません。過剰にコストをかけずとも、ユーザーのニーズにマッチする機能を把握し、少しずつ実装していくことでアプリの満足感を高めることが可能です。
ハイブリッドテクノロジーズのアプリ開発費用
ハイブリットテクノロジーズのアプリ開発費用をご紹介します。
ホットペッパーのようなものを想定した予約システムをアプリ開発した場合の費用は以下の通りです。
ジャンル | 予約システム | |
条件 | 管理者、店舗側はPCブラウザ/ユーザーはiOSアプリを利用 の場合 | |
費用 | スクラッチ開発 | 1200万〜2000万円程度 |
スモールスタート | 700~1000万程度 | |
機能 | 管理者画面 | ログイン/ログアウト/店舗アカウント一覧/店舗アカウント追加/店舗アカウント詳細/店舗アカウント編集/店舗アカウント削除/店舗アカウント検索/ユーザーアカウント一覧/ユーザーアカウント追加/ユーザーアカウント詳細/ユーザーアカウント編集/ユーザーアカウント削除/ユーザーアカウント検索/商品一覧/商品詳細/商品編集/商品削除/予約一覧/予約詳細/予約編集/予約削除/予約検索 など |
店舗画面 | ログイン/ログアウト/プロフィール/商品一覧/商品追加/商品詳細/商品編集/商品削除/商品検索/予約一覧/予約詳細/予約編集/予約削除/予約検索/自動メール送信 など | |
ユーザー画面 | ログイン/ログアウト/検索機能/商品一覧/商品詳細/予約機能/予約キャンセル機能/予約履歴/自動メール送信 など |
アプリ開発費用を決める要素
アプリの開発にかかる費用は搭載する機能の内容だけでなく、ある要素によって左右されます。ここでは、アプリの開発費用の決め手となる要素をご紹介します。
人件費と開発期間から算出
アプリ開発会社では、エンジニア(SE)の人件費と開発期間を乗算して費用を算出するケースが一般的です。
中でも人件費は、費用の決定において影響が大きい要素です。開発に携わるSEの技術力に応じて、1人あたりの単価は変わってきます。相場としては初級SEが60~100万円、中級SEが80~120万円、上級SEが120万円~160万円程度です。なお、プログラミングのみを行ってくれるプログラマー(PG)であれば、50~100万円で依頼することができます。
要件決定後は基本的に以下の通り開発が進みますが、アプリに搭載する機能が多いほど工数が増えていくため、それに伴って人件費や開発期間が増幅する可能性があります。
↓
②インフラ実装、アプリデザイン
↓
③管理画面API実装、アプリ実装
↓
④単体テスト
↓
⑤総合テスト
↓
⑥検収
↓
⑦審査
↓
⑧アプリ公開
開発期間は対応OSと機能で決まる
アプリ開発にかかる期間は、主に「対応OS」と「機能」によって変わります。
OSに関してはiOSとAndroidのどちらに対応させるのか、それとも両方に対応させるのかを決めなければなりません。もちろん、両方に対応させるとなれば片方だけ対応させるよりも倍近くの開発期間とコストが生じます。
アプリに搭載される機能の種類は数多く存在しますが、代表的な機能ごとにかかる開発期間の目安は以下の通りです。
●開発期間:3ヵ月程度
ポイントカード機能は、既存システムを参考に開発するため比較的短い期間で実装することができます。アプリ側では、既存システムから情報を呼び出してアプリ上に表示する箇所の作り込みが必要です。
●開発期間:6ヵ月程度
スタンプ機能は、スタンプを付与する条件に関する機能要件の取りまとめ次第では細かい仕様の開発が必要になる可能性があります。その場合、開発期間がやや長くなります。
●開発期間:10ヶ月以上
上記はどちらもマーケティング用途のアプリにおける需要な機能ですが、他の機能に比べて開発に長い期間を要します。機能要件の取りまとめやアプリ側のデザイン・動作の作り込みだけでなく、リリース後の運用フェーズで必要な管理画面(データ入稿、期間・時間制限の機能設定など)の構築により、工数が増えるからです。
なお、上記でご紹介した機能別の開発期間はあくまで目安ですが、同じ開発要件でも依頼先の会社によって異なる場合があります。例えば同じような機能を実装した経験がその会社にある場合、開発期間は目安よりも短縮されてコストの低減にもつながることでしょう。
アプリ開発費用の内訳とは?
アプリ開発費用には、どのような項目が含まれているのでしょうか。アプリ開発費用として含まれる一般的な項目をご紹介します。
人件費
先述の通り、アプリ開発費用に大きくかかわる要素が人件費です。開発を手掛ける主な人員は、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャー(PM)、プログラムやソフトウェアの仕様書を作成するシステムエンジニア(SE)、その仕様書に従ってコードを書くプログラマー(PG)などがいます。
なお、各人員の技術力や工数などに応じて金額は変動します。
デザイン費用
アプリデザインもアプリ開発会社に依頼する場合にかかる費用です。どのような場所にボタンや画像を配置すれば良いのか、ユーザーの満足度の向上を考慮しながらUIやUXを決定する必要があります。まずはデザインの全体戦略から設定し、実際にデザインとして落とし込む作業に移るというのが基本的な流れです。
なお、デザイン費用は以下の要素に応じて金額が変動します。
・デザイン対象ページ数
・対応OSの種類
・デザインの作り込み
・ロゴを作るのか否か
・ユーザー調査の有無
デザインするページのボリュームが多く、より高いクオリティを目指すのであれば相応に費用が高くなっていきます。
また、スマホアプリは同じOS間における仕様の違いだけでなく、端末の新旧やスマートフォン・タブレットなどデバイスによって様々な画面サイズが存在します。そういった違いを考慮しながら、統一感のある使いやすいインターフェースを持つデザインの作成は一定以上の知識や経験が必要であるため費用が高くなる傾向にあります。
ログイン機能の導入費用
アプリ上での会員登録方法としては、TwitterやFacebookといったSNSアカウントと連携するか、メールアドレスやパスワードを登録するかの2通りに分けられます。一般的に主流な方法は前者ですが、SNSユーザーが増加している近年は、SNSにログインするだけで個人情報を入力しなくても登録可能な後者に対するニーズも高いです。そのため、SNSのログイン連携機能を導入することは満足度の向上に期待ができます。
運営側としても、SNSのログイン連携機能は比較的安価に実装できるというメリットがあります。一方でメールアドレスやパスワードの場合、自社で個人データを管理するためのシステム構築が必要になるため費用が高くなりがちです。
決済システムの導入費用
EC系のアプリなどで、オンラインによる決済が可能になるシステムです。その場で素早く手軽に決済ができるため、カゴ落ち(カートに商品を入れたまま購入せず離脱すること)の防止につながります。
自社サイトなどですでに導入している決済システムと連携する機能の場合は比較的安価に実装できます。しかしアプリのために新しく開発する場合はシステム構築が必要になるため、工数が増えるぶん費用も高くなります。
他社ツールの実装費用
他社のツールをアプリに実装するか否かも、アプリ開発費用の総額に影響する要素です。どのようなツールを実装するべきかはアプリの内容によって異なりますが、代表的なものとしてはGoogleマップ・SNS・カメラ・音声・動画・通知機能などがあります。
費用の相場は実装するツールで変動しますが安価なのはSNSで、その次に Googleマップ・カメラ・音声、そして動画の実装と高くなる傾向があります。
保守費用
アプリは開発後にリリースをしたらそれで終わりという訳ではなく、それ以降もアプリの保守を続けていく必要があります。具体的には、ユーザーのニーズを踏まえた新機能の実装やバグの修正、OSのバージョンアップに合わせた対応などを行います。保守作業にもコストがかかりますが、これを怠るとユーザーが離れてしまうため注意が必要です。
保守費用の相場としては、年間開発コストの約20%と言われています。開発にかかる費用だけでなく、保守にかかる費用も考慮した予算計画が大切です。
OSの更新費用
アプリストアに公開されている数々のアプリは、各OSのバージョンに合わせて開発されています。しかしGoogleやAppleは1年に1回新しい大型のバージョンアップを実施するため、アプリの運用においては新バージョンへの対応も必要になります。
バージョンアップによりOSの機能性が向上するというメリットがある一方、古いバージョンに対応したアプリがサポート外になり使用不可となることがデメリットです。また、アプリストアでは最低要件のバージョンも設定されているため、修正したアプリのアップロードができなくなるトラブルも発生します。
したがってOSのバージョンアップ情報が公開されたらその都度アプリの仕様を確認し、必要に応じて改修しましょう。その作業にももちろん費用がかかりますが、金額はアプリの複雑さや改修の内容によって変動します。
アプリの開発費用を抑える方法は?
アプリの開発には少なからず費用がかかりますが、依頼者側の工夫によって費用をカットすることも可能です。最後に、アプリの開発費用を抑える方法についてご紹介します。
アプリの要件をできるだけ具体化する
開発費用が高くなる大きな原因としては、「要件が具体的に定まっていない」ことが挙げられます。何をどのように開発してもらいたいのかが明確でないまま依頼をすると、開発に入ってからあれもこれもと要件を追加する結果になりかねません。そうなれば、最終的な開発費は当初の予定よりも増幅します。
予算の超過を防ぐためには、最初にアプリの仕様目的や搭載する機能、画面遷移などの構想を固めることが大切です。完成後のイメージが明確になっていればアプリ開発会社としても作業期間の見通しがつけやすくなるため、より適切な費用を提示するようになります。
どうしても構想が固まらなかったり、専門的な依頼書づくりが困難な場合は理想に近い既存アプリを提示することも有効な手段です。
スモールスタートをする
アプリ開発におけるコスト対策の鉄則ともいえる手段が、スモールスタートです。先述の通り、スモールスタートでは必要最低限の機能だけを搭載してアプリをリリースします。リリース後はユーザーの利用傾向などを検証し、その結果に基づいて機能を少しずつ増やしていくという方法です。これにより、無駄にコストをかけなくてもアプリのクオリティを上げることができます。
また、最初から過剰に機能を搭載するとコストだけでなく開発期間も相応に長引くものです。その間に競合企業がアプリをリリースすると、競争の優位性に引けを取ることも懸念されます。そういったリスクの回避にも、スモールスタートは期待できます。
「運用側としても低コストでリリースできる」「ユーザー側は自分にとって必要な機能が搭載されることで高い満足度を得られる」どちらにとっても大きなメリットを得られる手段です。
アプリ開発を検討・企画する前に考えるべきポイント
アプリを企画する前に、まず押さえておきたいポイントがあります。「アプリを開発する理由」と「ユーザーにとっての価値」の2つから見ていきましょう。
アプリを作る理由は何か?
実際に動き出す前に、なぜアプリが必要なのか考えてみましょう。アプリを作ろうと思った経緯として、解決したい課題や、達成したい目標があるのではないでしょうか。アプリを使うことでどのような状態を目指すのか、明確に考えます。
・アプリを開発して課金や広告によって◯百万円の利益を得る
・自社で使える業務アプリを開発し、業務時間を◯割削減する
・自社ECサイト用のアプリを作成し、◯万人のユーザーを得る
アプリ開発には時間や費用がかかります。目標としている状態が明確であれば、そのコストを割いてでも開発するべきかどうかの検討がつきやすくなります。なんとなく作り始めれば、ユーザーにとって使いにくいものになってしまう可能性もあります。
また、アプリを作ってどうしたいのかが具体的であれば、開発途中でも方向性で迷いにくくなります。「アプリを作ってどうしたいのか、なぜ作るのか」と考えることは、アプリ開発にとって基本となる大切なポイントと言えるでしょう。
どのようなユーザーに、どのような価値をもたらしたいのか?
アプリはユーザーに使われることで初めて意味を持ちます。ユーザーが「このアプリは使うに値する」と感じるものである必要があるのです。
そのためには、ユーザーに寄り添う視点が大切です。以下の情報について具体的にイメージしてみましょう。
・ニーズ
・性別や年齢などのプロフィール
・アプリやネットの使用状況
今企画しているアプリは、想定したユーザーにとって本当に価値をもたらすものであるのかどうかを検討します。アプリ開発を企画していると「こんなアプリを作りたい」「アプリによって売り上げを伸ばしたい」など、ついつい自社側の視点で考えてしまいがちです。ユーザー像と提供する価値を検討することにより、ユーザー目線でアプリ開発を進めることを目指します。
また、既存のアプリをリサーチすることも重要です。著しく類似するアプリなどがすでに存在していれば、新規のアプリはユーザーにとって価値をもたらさないかもしれません。
アプリ開発の企画時に考えるべきポイント
どの種類のアプリを作るべきか?
アプリは主に以下の3つの種類に分けられます。どの種類のアプリを作るのか、開発前に決めておく必要があります。
アプリの種類 解説
Webアプリ Webブラウザ上で利用するアプリ
ネイティブアプリ 端末に直接インストールして利用するアプリ
ハイブリッドアプリ Webアプリとネイティブアプリの両方の特徴を持つアプリ
それぞれの種類にどんな特徴やメリットがあるのか見ていきましょう。
Webアプリ
インターネットを介して利用するアプリをWebアプリと呼びます。インストールする必要がなく、手軽に利用できる点に魅力があります。反面、Webブラウザ上で利用するため、動作のスピードはネイティブアプリに劣るという側面があります。
ネイティブアプリ
iPhoneやAndroidなどの端末に直接インストールして使用するアプリを指します。アプリストアの操作や、インストールにかかる待ち時間が発生する分、ユーザーにとっては多少の心理的なハードルが存在することになります。しかし一度インストールしてしまえば、利用が習慣になりやすいといったメリットがあります。インターネットを経由しない分、読み込みスピードが速い点も魅力です。
ハイブリッドアプリ
Webサイトを作る技術で開発されたiPhone・Androidアプリを、ハイブリットアプリと呼びます。Webアプリとネイティブアプリ、両方の特徴を持つアプリと言えます。ハイブリットアプリはiPhone・Androidの両方で動作できるため、2つ開発する必要がありません。ネイティブアプリほどの滑らかさがない点や、細かい仕様変更がしにくい点は注意しましょう。
どの種類のアプリを作るべきか?
スマホアプリを開発する際は、iOS端末かAndroid端末か、対応するOSを決めることが必要です。両方に対応できるようにしたくても、費用などの問題からどちらか片方しか開発できないという場合もあります。
OSに加え、対応する機種についても考えます。現在出回っている機種をメインに対応させますが、古い機種に対してはどこまで対応するのか考える必要が出てきます。
アプリ開発にかかる費用はいくらになるのか
アプリ開発にかかる費用は、エンジニアが算出することが一般的です。「この機能を実装するなら、このくらいの工数が発生するだろう」という予想に基づいて行われます。対応する機能やOS・端末を絞れば、その分安い費用で開発できることになります。アプリ開発会社へ丸ごと開発依頼する「スクラッチ開発」では、以下の項目などにより費用が左右されます。
ユーザー管理機能の有無
顧客やユーザーなどの個人情報を把握するためには欠かせない機能です。すでに自社にユーザーのデータベースが存在している場合は、開発するアプリと連携させるというシンプルな工程になります。データベースを新規で作成する場合は、相応の期間や費用が必要になります。
ログイン機能の有無
ログインする機能があるかどうかというポイントによっても、アプリ開発の費用に影響が出ます。メールアドレスやパスワードを使って登録し、ログインできるようにするという機能が一般的です。また、Twitterなど既存のシステムのアカウントを代わりに使用することでログインするというパターンも存在します。
メールアドレスを使ったログインは自社でユーザーのデータを管理することになるため、前述したユーザー管理機能が必要です。
決済システムの有無
費用を左右する開発項目の一つとして、決済システムも挙げられます。クレジットカード決済やキャリア決済など、用途に応じて種類を検討することが一般的です。すでに自社のWebサイトなどで決済システムを利用していれば、アプリと連携させる機能を実装します。これまで使っている決済システムがなければ、アプリのために新規で開発します。
チャット機能の有無
チャット機能も、実装すべきかどうか考慮すべきポイントの一つです。メッセージアプリのような感覚で利用しやすいため、スマホユーザーが利用しやすい傾向があります。チャットに付随する機能を増やそうとすると、それだけ費用が増えます。通話やスタンプといった機能や、グループチャットの有無など、必要なオプションは何かといった視点で検討します。
通知機能の有無
メッセージの受信やお知らせの配信など、アプリに何らかの更新があった場合に送信されるものを「プッシュ通知」と呼びます。スマホアプリやWebアプリなど多くのアプリに実装されている機能ですが、リアルタイムで通知を送るという観点から、高度な技術が必要な機能です。実装すると、追加で多くの費用がかかることになります。
ログ機能の有無
ユーザーの投稿内容や位置情報などを記録していくためにはログ機能が必要になります。SNS系等ユーザーの投稿とやり取りがメインになるようなアプリケーションでは、ログ機能の実装が不可欠です。
ユーザーの行動のどこまでを記録できるようにするのか、自動でどんなログを取れるようにするのかによっても費用は変動します。
デザイン作成
デザインを自社で用意するか、外注するかというポイントによっても費用は変わります。特にスマホアプリの場合、シンプルなデザインにすればこれといった工程は必要にないように感じられるかもしれません。しかし、端末による画面サイズの違いや、プラットフォームによる動作の違いなどを考慮した上でアプリを作ることが求められます。これはエンジニアだけではなく、デザイナーも巻き込む必要のある工程です。使いやすいインターフェースにするためには、ある程度まとまった額の費用が発生することになります。
開発費用を抑えるには
ここまでご紹介したとおり、開発費用を抑えるには、エンジニアの工数を削減することが必要になります。
工数の削減のためにできることは、機能を制限したり、妥協したりだけではありません。
既存の枠組みを用いて実現ができれば、その分エンジニアの開発工数の削減が可能です。
ハイブリッドテクノロジーズでは、ここでご紹介している、デザイン作成を除く機能の全てにライブラリを用意しており、エンジニア工数を削減することができるため、結果として開発工数を抑えることが可能になります。
段階的なリリースを検討できないか?
理想のアプリをイメージするあまり、欲しいと思った機能を全て盛り込みたくなるという方がいます。しかし、常に完璧な状態でリリースする必要があるというわけではありません。最低限の機能を実装し、必要に応じて後から段階的に増やしていくことも可能です。
この開発手法を取り入れる場合は、段階的にリリースする旨を開発スケジュールに記載します。いつ、どのような機能を盛り込む可能性があるのか、あらかじめ検討しておきます。
ハイブリッドテクノロジーズのアプリ開発
アプリ開発には、以下の開発手法があります。それぞれの特徴やメリットなどについて、順番にご紹介します。
アジャイル型
アジャイル(Agile)とは「すばやい」「機敏な」などの意味を持つ英単語です。その言葉の通り、スピーディに開発することを重視した開発手法を指します。
アプリ開発では、事前の打ち合わせを経てアプリの仕様を詳細に決めてから開発に入ることがあります。しかしアジャイル開発では、大まかな方向性だけを決めて開発を進めます。このため仕様変更やエラーといった事態にも対応しやすいというメリットがあります。
方向性のみを決めてスタートするため、スケジュールやコストなど、全体的な見通しがつきにくいという点はデメリットになります
開発をスタートした後でも、依頼者やユーザーの意見を取り入れながら進めることが可能です。ユーザーにとって使いやすいアプリを開発したいという場合におすすめの開発手法です。
▶アジャイル(Agile)型開発とは?メリット・デメリットや開発手法をわかりやすく解説
ウォーターフォール型
「滝」を表すウォーターフォール(waterfall)開発は、順序に沿って開発を進めていく手法です。滝と同じく、上から下へと一方向へ流れていくように開発が進められます。アジャイル開発よりも前から使われているスタンダードな開発手法です。
事前の打ち合わせやスケジューリング・仕様の定義をしっかりと行ってから開発に進みます。スケジュールやコストが把握しやすく、大規模な開発になっても比較的、見通しがつきやすいというメリットがあります。
柔軟に進めていくアジャイル開発とは違い、途中で変更しにくいという側面があります。また、事前の打ち合わせやスケジュールに沿った開発が求められるため、スピード感に欠けるというデメリットもあります。
長期間のプロジェクトになっても問題ない場合や、スケジュールや目標をしっかりと管理して進行できる状況にある場合に適した開発手法です。流動的なアジャイル開発よりも着実に開発を進められるため、厳格に進めることを求められるプロジェクトにも適しています。
▶ウォーターフォール型開発とは?メリット・デメリットや開発手法を解説!アジャイル開発との違いも
スパイラルモデル
「螺旋」を表すスパイラル(spiral)から名付けられた手法です。システムをいくつかのパーツに分けて開発を進めていきます。
パーツごとに仕様の定義や設計・開発、テストというサイクルを繰り返していきます。その過程で螺旋のように品質を上げていくことから、スパイラルモデルと呼ばれています。開発途中でユーザーの意見をもらうこともできるため、ユーザーの満足度が高まりやすい手法です。品質をチェックしながら短い期間で繰り返し改善していくなど、柔軟な対応がしやすいというメリットもあります。
各工程を何回繰り返すのかによって開発期間やコストに変動があります。いつの間にか費用がかさんでいたといったことがないよう、全体的な管理を徹底する必要があります。
各工程を繰り返していくことから、ウォーターフォール開発と同じく、スケジュールの見通しや管理を大切にします。大規模、もしくは品質重視のプロジェクトにも適している開発手法です。
DevOps
DevOps(デブ・オプス)とは、開発(Devlopment)と運用(Operation)を掛け合わせた言葉です。2つのチームが連携することで、より効率的に開発することを目指します。通常のアプリ開発では、実際にアプリを作成するチームと、運用・保守を担当するチームは別々に作業します。しかしDevOpsでは、開発チームと運用チームが協力してプロジェクトを進めます。同じ技術を共有して、開発にかかる時間を節約するなど、生産性アップが期待できます。
しかしDevOpsは、組織の価値観や体制にも関わる問題です。各チームがうまく連携できる組織を作るには、時間がかかるかもしれないということに注意が必要です。
各チームの協力による品質向上を狙う場合や、生産的な組織を作りたい場合に取り入れられる開発手法です。
V字モデル
各開発工程に対して、対応するテスト工程を明らかにしているのがV字モデルです。要件定義には「システムテスト」、詳細設計には「単体テスト」など、対応する工程を事前に明確にしておくという特徴があります。これらを図にした時に「V」の字に見えることから、V字モデルと呼ばれています。
開発中は「今どのテストを行えばいいのか」ということが明確に把握できます。テスト工程も含めて具体的にスケジュールを立てられるため、進捗管理がしやすい点にメリットがあります。
それに対し、開発途中の仕様変更に弱いというデメリットがあります。変更があれば、要件定義書やテスト仕様書をその都度書き換える必要があります。
V字モデルは全体的な見通しを把握しながら開発したい場合に適した手法です。プロジェクトのスケジュールが立てやすいため、必要な時間や人員、コストの予測がつきやすい側面があります。
プロトタイピング
プロトタイピング(Prototyping)とは、プロトタイプ(試作品)を使って開発をする手法です。
アプリ開発の早い段階から試作品を作成し、ユーザーと一緒にチェックします。使用した結果を確かめた上で改善策を検討するので、ユーザー目線のアプリ開発がしやすいというメリットがあります。
試作品を作成する分、費用や期間が余計にかかることがあります。また、ユーザーからの意見に左右されすぎると、当初の目的や方向性を見失ってしまうという注意点も挙げられます。
プロトタイピングは試作品を作るための費用や期間に余裕がある時に使いたい開発手法です。SNSやECサイト、ゲームアプリなど、ユーザーの使用感が重視されるアプリの開発時に使われるケースも多くあります。
ハイブリッドテクノロジーズのアプリ開発事例
ハイブリッドテクノロジーズでは、その他にもモバイルアプリや業務用アプリケーションまで、多種多様な290社以上の制作実績がございます。
アプリ開発をご検討の方はぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
アプリ開発にかかる費用は、搭載する機能の内容やそれに伴う人件費と開発期間によって決まります。具体的な金額はアプリの内容によって大きく異なりますが、出来るだけ初期費用を抑えたいのであれば「開発要件の具体化」と「スモールスタート」を心がけましょう。費用について理解ができたら、以下の記事でアプリ開発の基本的な企画プロセスや企画時のポイントなどについてもチェックしておきましょう。