システム開発とは?流れや開発手法、外注する際の注意点を解説
ビジネスの場などで「システム開発」とよく耳にはしますが、具体的にどんなことをやっているのでしょうか。本記事では、システム開発の流れや職種などについて解説します。また、システム開発を外注する際の注意点や、成功事例についてもあわせてご紹介します。
システム開発とは?
システム開発とは「業務をスムーズに行うための仕組みを作ること」を指します。特に現代では、IT技術を使った業務効率化の仕組みを指すことが一般的です。
例として、社外にいる時でも商品の在庫数をチェックできるツールを開発したとしましょう。外出前に在庫をわざわざメモしたり、社内の人間に倉庫を見てもらったりすることなく、最新の在庫数をスマホやPC上で把握できるようになります。
システム開発は、システムエンジニアやプログラマーといった職種の人が行います。人材などの都合上、外部の開発会社に委託するケースも多くあります。
システム開発の工程や流れ
システム開発をどこで行ったとしても、基本的な手順は同じです。ここでは、システム開発の大まかな流れをご説明します。
手順①要件定義
どんなツールを開発するのか、全体的な方向性としてまずはじめに「システム要件」を決めておきます。システムのユーザーとなる社員や部門に対し、どのような課題があってシステム開発をしたいのかヒアリングします。それをもとにシステム要件を定義し「要件定義書」を作成します。
手順②外部設計
システムの基本となる構成を設計します。システムで使用するネットワークやプログラミング言語といったソフトウェアをはじめ、ハードウェア、システムの画面のデザインなどを検討していきます。「基本設計」と呼ばれることもあります。
手順③内部設計
外部設計よりも詳細な設計を行う工程です。システム内部がどう動いていくのか、処理方法や内部の構造などを細かく決め、仕様書を作成していきます。システムエンジニアが、この後の工程でコーディングを行うプログラマーのために、わかりやすく作成することを目指します。「詳細設計」と呼ぶ場合もあります。
手順④コーディング
システムエンジニアが作成した仕様書をもとに、実際にプログラミングをしていくステップです。複数のプログラマーが同時進行でコーディングをするケースが多くあります。各プログラマーが異なるパーツをそれぞれ作成し、後で組み合わせるようなイメージです。
手順⑤テスト
システムのリリース前に、正しくプログラミングされているか確認する工程です。コーディング時には予想していなかった不具合やミスが見つかることがあります。また、各パーツを組み合わせてみると、うまく動かない部分が見つかるケースもあります。問題が解消するまでテストと改善を繰り返し、システムの品質を高めていきます。
手順⑥引き渡し
テストが終わり、品質面でも問題がないと判断できたら、ユーザーにシステムを引き渡します。これは「リリース」とも呼びます。引き渡し時に、操作方法をレクチャーしたり、説明書を渡したりすることが一般的です。また、多くの場合引き渡して終わりではなく、必要に応じてメンテナンスやエラー対応といったサポートを継続します。
手順⑦運用
引き渡し後は、システムが問題なく稼働し続けられるよう、必要な作業を行っていく必要があります。これを、運用や保守という言葉で表します。運用は、システムが止まってしまわないように改修やアップデートなどを通じて支える業務のことを指します。また、保守とは、システムに何らかの問題や異常が発生した際に対応する業務のことを指します。運用や保守を行うには、開発したシステムについての深い知識が必要となります。
システム開発手法6選とメリット・注意点
システム開発には、主に以下の6つの手法があります。
開発手法 | 内容 |
---|---|
アジャイル型 | スピードを重視して開発 |
ウォーターフォール型 | 事前の打ち合わせと順序を重視 |
スパイラルモデル | 各パーツごとに設計や開発、テストを繰り返す |
DevOps | 開発チームと運用チームが連携してスピーディに開発 |
V字モデル | 各開発工程に対し、どのテストを行うかを明確にする |
プロトタイピング | 試作品を作成して使い勝手をチェックする |
それぞれの開発手法について、特徴やメリット・デメリットを詳しくご説明します。また、どんな状況に適している手法なのかといった観点からもご紹介します。
アジャイル型開発
アジャイル(agile)とは「素早い」などの意味を持つ英単語で、その名の通りスピードを重視してシステム開発をする手法を指します。
「アジャイル型開発」は、大まかな方向性のみを決めて開発に入るという特徴があります。
関連リンク:アジャイル開発とは?概要やメリット・デメリット、進め方を解説
アジャイル・スクラム
開発手法
アジャイルスクラム開発手法とは、開発期間を「スプリント」と呼ばれる短いサイクルに分けて開発を行うこと。 仕様変更や機能追加に柔軟に対応できることが特徴です。
アジャイル型開発のメリット
アジャイル型開発では、あらかじめすべての仕様を設計しておくわけではないので、不具合や仕様変更といった想定外の事態にも対応できる点がメリットです。要件定義から設計、テストやリリースまでのサイクルを繰り返し、完成度を高めていくことも可能です。
アジャイル型開発の注意点
大まかな打ち合わせのみ行うため、途中で方向性がずれたり、スケジュールの把握が難しいといった注意点があります。
アジャイル型開発では、システムを使うユーザーや依頼者と、開発中を含めて頻繁に話し合いの場を設けます。柔軟なシステム開発が求められる時に適している開発手法です。
ウォーターフォール型開発
「ウォーターフォール型開発」は、順序に従って進める開発手法です。ウォーターフォール(waterfall)は「滝」を表しています。滝が上から下へと流れるように、順序に従ったシステム開発をしていくという意味合いがあります。
ハイブリッド開発手法
(ウォーターフォール+アジャイルスクラム)
ハイブリッド開発手法とは、システム開発における「ウォーターフォール開発手法」と「アジャイル・スクラム開発手法」を組み合わせる手法のこと。
工程や時期に合わせて進め方を組み替えられることが特徴です。
ウォーターフォール型開発のメリット
順序に従って進められることは、システム開発にとってメリットになります。スケジュールがシンプルになるため、進捗やコストが管理しやすくなります。関係者の多い大規模のプロジェクトでも、効率的に管理しやすい傾向があります。
ウォーターフォール型開発の注意点
デメリットとして、すでに決定された仕様を変更することが難しいことが挙げられます。「一つ前の工程に戻って修正」といった流動的な開発も難しくなります。また、実際の開発に入る前に、念入りな打ち合わせを行うという特徴があります。スピード感を大切にするアジャイル型とは異なり、開発の工程に入るまでに時間がかかる傾向があります。
ウォーターフォール型開発は事前の打ち合わせを重視する分、ユーザーへのヒアリングがしっかり行える状況にあることが大切です。長期間・大規模なプロジェクトになっても問題ない豊富なリソースがある場合にも適しています。
スパイラルモデル
スパイラルモデルは、その名の通り「螺旋(spiral)」から名付けられました。システムを複数のパーツに分けて開発を行うことが特徴です。それぞれのパーツごとに設計や開発、テストを行うことを繰り返していきます。螺旋のように品質を上げていくことから、スパイラルモデルと呼ばれています。
短い期間で各工程を繰り返す点は、アジャイル型開発と似ています。前述の通り、アジャイル型開発は短期間でリリースと改善が繰り返されるという特徴があります。それに対し、スパイラルモデルで繰り返すのは設計からテストまでであり、最後に全体の完成品のリリースを行うという点に違いがあります。
関連リンク:スパイラル開発とは?メリット・デメリットやアジャイル開発・ウォーターフォール開発との違いや特徴を徹底解説
スパイラルモデルのメリット
アジャイル型開発と同じく、柔軟に開発を進めていける点にメリットがあります。スケジュールの遂行や見通しを重視するという点は、ウォーターフォール型開発とも似ています。比較的、大きなプロジェクトに適している開発手法です。
スパイラルモデルの注意点
しかし、設計からテストまで各工程を繰り返して行うため、いつの間にかシステムが大規模になっていたり、コストが高額になっていたりする可能性もあります。
DevOps
DevOps(デブ・オプス)とは、開発(Devlopment)と運用(Operation)の英単語の頭文字を取った言葉です。通常、開発と運用は別々に行われるものであり、チームも異なります。しかしDevOpsは、双方が一体となりコミュニケーションしやすい環境を作ることで、効率的にプロジェクトを進めることを目指します。
関連リンク:DevOpsとは?概要や重要性、アジャイル開発との違いを解説
DevOpsのメリット
開発チームと運用チームの連携には、ツールなどを利用した情報共有が鍵となりますが、各チーム間の効率的な連携により、開発にスピード感が生まれることがあります。そのため、開発スピードを早めたい場合や、連携による品質向上を目指したい場合にメリットを感じやすい手法と言えるでしょう。
DevOpsの注意点
開発チームと運用チームの協力体制を作るには、組織の体制やプロセスの見直し、組織の価値観の改善などが必要です。すぐにうまくいくものではないという点には注意が必要です。
V字モデル
V字モデルでは、各開発工程に対しどのテストを行うかを明確にしています。例として、基本設計に対しては「結合テスト」を、詳細設計に対しては「コンポーネントテスト」を行います。それらを表にした時に「V」のような形に見えることから、V字モデルと呼ばれています。前半は開発を、折り返した後半はテストを行います。
V字モデルのメリット
開発工程に対する各テストが明確に存在しているため、スケジュールに具体性を持たせられる点にメリットがあります。テストの進捗管理がしやすく、また「今はどのテストを行えばいいのか」と迷う手間も省けます。プロジェクトのスケジュール管理や人員調整を明確に決め、しっかりと把握しながら開発をしたい場合に適しています。
V字モデルの注意点
V字モデルのデメリットは、柔軟なシステム開発が行いにくい点にあります。開発途中で仕様が変更になった場合には、要件定義書から作成し直さなくてはなりません。
プロジェクトのスケジュール管理や人員調整を明確に決め、しっかりと把握しながら開発をしたい場合に適した開発手法です。
プロトタイピング
プロトタイピング(Prototyping)とは、その名の通りプロトタイプ(試作品)を作成する開発手法です。
システム開発の初期段階で試作品を作成することで、ユーザーと一緒に試作品をチェックできます。一度使ってみた上で再度要望を確認するなど、よりユーザーに寄り添ったシステムの開発を目指します。
関連リンク:プロトタイピングとは?重要性や具体的な手法、注意点を解説
プロトタイピングのメリット
方向性のズレがあればその時点で軌道修正できるため、手戻りを防げる点がメリットです。
プロトタイピングのデメリット
注意点として、試作品を作成する期間やコストが必要になることが挙げられます。また、ユーザーの意見を取り入れすぎた結果、システムの本質をいつの間にか見失ってしまっていたという事例もあります。
試作品を作るための各リソースに余裕がある時に採用したい開発手法です。SNSなど、ユーザー体験を重視するシステムの開発を狙う場合にも使われます。
システム開発をエンジニアや外部に依頼する際のメリット・デメリット
システム開発をエンジニアや外部に依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。自社で行う場合と比較してみましょう。
内製でシステム開発を行うメリット・デメリットとは?
まずは、内製、つまり自社でシステム開発を行う場合のメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリット
外注で発生する見積もりや契約などの手間が発生せず、そのぶん速く開発を進めていくことが可能です。また、仕様変更の必要性が生じた時も臨機応変に対応しやすく、システム開発で培ったノウハウは社内の財産になります。システム開発の必要性が今後も発生する可能性が高い場合、こうしたノウハウが長期的に見ると活きてきます。
デメリット
もし、システム開発に関する経験がなく、ノウハウや設備もない場合、1から準備を進めていかなければなりません。そのぶん、コストもかかります。さらに、計画どおりに進まなかった場合は当初予定していた予算をオーバーする可能性もあります。開発途中でエンジニアが退職した場合、新たに引き継ぐ人材も自社で用意しなければなりません。
外注でシステム開発を行うメリット・デメリット
次に、システム開発を外注するメリットとデメリットについても見てみましょう。
メリット
自社でシステム開発に必要な人材を育成したり設備を1から揃えたりするコストがかかりません。また、システム開発のプロに依頼できるためクオリティやスピードもある程度担保されます。スケジュールについても見通しが立てやすく、計画的に進めていくことが可能です。
特に、システム開発を単発で行う場合、かえってコストを抑えられる可能性も高いです。外注はそれなりのコストもかかりますが、既存のシステム開発部門や人材、設備を持っていない場合、それらの準備にかかる費用の方が高くつくこともあるからです。長期的に見て、システム開発の計画が何度もあるなら、内製の方が節約につながるかもしれませんが、単発の場合は外注の方がメリットを感じやすいでしょう。
デメリット
システム開発そのものにかかる費用は、内製よりも高くなりやすい点がデメリットと言えるでしょう。また、当然自社で行わないため経験値はあがらず、システム開発に関する知見やノウハウは得ることができません。さらに、外部に委託することで、情報漏洩などの問題も生じやすいことから、セキュリティリスクに備える必要性も出てきます。
外部に依頼した場合のシステム開発の費用相場
外部にシステム開発を依頼した場合、その費用については開発規模やどのくらいの技術者を動員するかなどによって大きく変わります。1つの目安として、費用相場をご紹介します。
かかる費用全体のおよそ8割を占めるのは、人件費です。人件費は、技術者の数に必要となる日数をかけて計算されます。そこで基本となる技術者の単価は経験値や所属する会社などによって変わり、初級なら1ヶ月あたり1人60万円~100万円、上級なら100万円~160万円程度を要します。
さらに、人件費以外の費用としては、パソコン代やサーバー代などの設備費、オフィスの賃量や電気・光熱費といった場所代、技術者の交通費などがかかります。
システム開発に携わる役職・役割
システム開発に関わる職種と、その具体的な役割についてご紹介します。
SE(システムエンジニア)
システム開発を始めるにあたって重要となる「システム要件」を決定する役割があります。ユーザーのヒアリングを元に外部設計・内部設計といった全体の構造を考え、仕様書を作成します。場合によっては、プログラマーと同様にコーディングを行うケースもあります。
PG(プログラマー)
システムエンジニアが作成した仕様書をもとに、実際のコーディングを行う役職です。建築士の設計書に基づいて家を建てる大工さんのようなイメージです。加えて、作成した各パーツとなるプログラムが正しく作動するかどうかチェックするテストも担当します。
PM(プロジェクトマネージャー)
プロジェクト全体のマネジメントをする役割です。プロジェクトのスケジュールを立案し、進捗管理やトラブル対応をしながら進めていきます。システム開発の知識はもちろん、多くの関係者とやりとりする必要があるため、コミュニケーションスキルやビジネススキルも必要です。システム開発の中でも、重要なポジションと言えます。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
プロダクトマネージャーをサポートする部門を指します。システム開発の進捗管理やスケジュールの見直しなど、ディレクション業務に関わります。さらに、関わる職種の人材開発や、会議の開催、コスト管理など、広い視野でプロジェクトを把握し、円滑に進むようサポートします。プロダクトマネージャーの補佐と言える位置付けです。
システム開発をエンジニアや外部に依頼する際の注意点・失敗ケース
システム開発にはいくつかの失敗パターンがあります。依頼してから後悔しないためにも、あらかじめチェックしておきましょう。
開発システムの目的が曖昧なままプロジェクトがスタートしてしまう
どんな課題があってシステムを作りたいのか、システムを作る目的は明確にしておきましょう。欲しい機能や、優先してもらいたいポイントなど、依頼側の担当者間でしっかりとすり合わせしておきます。目的がはっきりしていなければ、曖昧なままスタートして手戻りが発生したり、完成品に納得がいかなかったりなどの不利益が生じます。
システム開発の上限予算を明確にしていない
システム開発にかける予算について、「とりあえず安く済ませたい」「開発会社に決めてもらいたい」など曖昧な方針のままプロジェクトを進めることもおすすめできません。予算の目安が明確化されていないと、プロジェクトに要する人員や機能などを定めることができず、開発会社も的確な提案を行うことが難しくなるからです。結果として、ニーズに合わない仕様のシステムとなってしまう恐れがあります。
基本的に外部の開発会社は、クライアントが提示した上限予算に近い金額で見積書を出します。そのため、最初に自社側から具体的な上限予算を提示したうえで、その予算内で最大限対応できることを提案してもらうようにしましょう。
また、システム開発には仕様や計画の変更による追加料金が発生する場合が多いです。事前に上限を決めておかないと、開発費が過剰にかさんでしまう可能性もあります。
システム開発・導入の納期を曖昧にしている/延ばせないことを伝えていない
システム開発の上限と同時に、納期も具体的に決めておきましょう。「いつでもいい」「なるべく早く」といった曖昧な表現で依頼してしまうと、開発会社側はゆとりのあるスケジュールに設計してしまい納品が遅くなる可能性があります。日付まで明確に決めることはできなくても、最低限「〇月まで」といった形で期限の線引きをしておくことが大切です。また、どうしても納期を延ばすことができない重要なプロジェクトの場合はその旨も開発会社へ伝えましょう。
納期だけでなく、何をもって納品完了となるのかという定義も明確化しておく必要があります。システム開発はただシステムを作るだけでなく、使用後に発生した不具合の修正やクライアント側の確認作業、既存システムとの連携・移行作業など様々な作業が発生します。そのため、開発の工程が完了した時点で納品扱いとなるのか、クライアントが求めた改善点を修正してようやく納品とみなすのか…といった定義が曖昧になることが多いからです。
プロジェクト中のコミュニケーションが不足してしまう
事前打ち合わせだけではなく、開発がスタートした後も、開発側の担当者とこまめに連絡を取るように心がけましょう。コミュニケーションを疎かにしたために、イメージとズレてしまっているのに気が付かなったというケースがあります。担当者と連絡をとりやすいかという点も事前にチェックしておくといいでしょう。
開発側が発注側の希望を鵜呑みにしてしまう
依頼者側がシステム開発に精通しているとは限らないため、開発側が知識を補いつつ、協力してシステムを作り上げる必要があります。もし依頼者の言葉を鵜呑みにしてシステム開発をすれば、無理のある設計になったり、使用しにくくなったりと、良いものにならない可能性があります。
開発会社の実績やスキルを確認する
依頼する前に、その開発会社についてのチェックを怠らないことも重要です。公式サイトや事前打ち合わせなどで、強みや実績、リソースの寡多などを確認します。開発会社の選び方によっては、納期に間に合わなかったり、手戻りや変更が多く、予算をオーバーしてしまったりというトラブルが起きかねません。
依頼者の意図を汲み取り、認識のズレのない状態でシステム開発を進めるためのコミュニケーション能力・課題解決力も開発会社のスキルの一つと言えます。実際の成功事例についても確認し、解決までのプロセスに説得力があるかどうかも、あわせてチェックしてみましょう。
極端に安い会社に依頼し、開発品質が担保されない
費用をできるだけ抑えるために、安い価格で受注してくれる会社を選びたいと思うかもしれませんが、ただ「費用の安さ」だけを決め手にするのは危険です。極端な安さを売りにしている会社は、納品物の品質が悪いことも考えられます。複数者から相見積もりをとり、内容をよく吟味して選ばれることをおすすめします。
開発後の運用について決めていない
システム開発は、リリース後も運用を継続していく必要があります。具体的には、リリースしたシステムが安定して稼働できるようにサーバー・ネットワーク・アプリなどの監視や必要に応じてメンテナンスを実施するといったことを行います。また、障害が発生した際は原因を究明のうえ復旧や修正を行う「保守」も重要です。
開発会社に運用を任せる場合も当然ながら費用がかかり、その金額は開発会社に求める運用の内容によって変わります。運用の方針について明確に決まっていないと予想以上に費用総額が高くなる恐れがあるため、必ず運用の方針と予算の上限を定めておきましょう。
システム開発での外注先の探し方
システム開発を依頼する外注先を探す方法としては、主に「Web検索」「展示会」「紹介」の3通りがあります。
Webで検索して探す
Webで検索してシステム開発会社のホームページを見て回り、候補をピックアップするという方法です。
また、近年はエージェントなどのマッチングサービスも増えている傾向にあり、業界に詳しい担当者による外注先選びのサポートを受けられます。マッチングサービスもWebで検索すれば出てくるため、利用を検討してみることをおすすめします。
展示会で探す
様々なシステム開発会社がサービス紹介を行う、IT関連の展示会に足を運ぶという手もあります。展示会では見込み客を集めるため、各企業が商談を前提として出店しています。外注先を探す立場としても、システム開発会社の担当者と直接話すことができるため、その会社の特徴や魅力を把握しやすいことがメリットです。
知人などに紹介してもらう
信頼できる知人などからシステム開発会社を紹介してもらえれば、安心感が高いうえに時間やコストを省くこともできます。
ただし安心感が高いからといって、自社のプロジェクトにマッチする開発会社であるとは限りません。また、先方の都合で迅速に案件を引き受けてもらえない可能性もあります。知人のコネクションに頼りきらず、あくまで手段のひとつとして考えると良いでしょう。
システム開発の外注先の選び方
システム開発における外注先は、目についた企業であればどこでも依頼して良いわけではありません。システムは業務効率や自社サービスの質を左右するものであり、予算・開発期間・技術者の得意分野を考慮して外注先を選ばなければ良質なシステムを作り出すことは困難です。
しかし数多くの開発会社が存在する中、自社にマッチした外注先を探すことは簡単ではありません。外注先選びで失敗しないためにも、以下のポイントに注目してみると良いでしょう。
関連リンク:システム開発を依頼する際の流れと事業者の選び方について解説
自社の業界に詳しい会社を選ぶ
自社の業界や業界動向に詳しい会社を選ぶことはとても重要です。課題の解決のために何が必要なのかよく理解している会社なら、自社の要望も伝わりやすく意志疎通がスムーズに行えます。何より、課題解決に向けた成功率が高まります。
コミュニケーションを円滑に取れる会社を選ぶ
システム開発は、自社の要望がきちんと伝わり誤解のないように進めていくことが肝心です。認識がズレたまま開発が進むと、大きく道を逸れてしまう可能性があるからです。必要な時に必要なタイミングで、コミュニケーションが円滑にとれる会社を選びましょう。
実績のある会社を選ぶ
依頼先は、きちんと打ち合わせを重ねて強みや実績、リソースの寡多などをよく確認してから選びましょう。実績の乏しい会社の場合、手戻りや変更が多くなったり、予算をオーバーしたり、納期に間に合わなかったりといった問題も発生しやすくなるかもしれません。もちろん、依頼側の意図をきちんと汲み取り反映できるコミュニケーション能力もスキルの1つです。
運用や保守にも対応できる会社を選ぶ
システム開発は、リソース後の運用・保守も含めて考える必要があります。開発後のサポートがある会社を選ぶのは、外注先を決めるにあたってマストとも言えるポイントです。特に、システム運用の担当者がいない会社は、リソース後も継続的にサポートしてくれるところを選びましょう。なお、運用や保守に関する費用もシステム開発予算に入れておくことをおすすめします。
ハイブリッドテクノロジーズの提供サービス
ハイブリッドテクノロジーズは、高い品質管理のもと、アプリケーション開発、システム開発の設計、デザインなどの上流工程から開発、運用、保守に至る全ての工程をトータルでご提供することで、クライアント企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進をサポートいたします。
お客様の要望に合わせて、アジャイル開発やウォーターフォール開発等の開発手法やラボ(ストック)型サービスや受託(フロー)型サービスを柔軟に組み合わせて対応させていただきます。
【アジャイル開発ご希望のお客様】
・アジャイル開発についてはこちら
【ウォーターフォール開発ご希望のお客様】
・ウォーターフォール開発についてはこちら
【ラボ(ストック)型開発サービスご希望のお客様】
・ラボ(ストック)型開発サービスについてはこちら
【受託(フロー)型開発サービスご希望のお客様】
・受託(フロー)型開発サービスについてはこちら
ハイブリッドテクノロジーズが選ばれる理由
01 ビジネス設計〜実装・保守までワンストップで提供できるサービス体制
既存サービスの変革や新規サービスを成功を導くための顧客体験発想による設計からプロジェクトをスタートし、MVP開発を通して顧客のビジネスグロースを一緒に共創していくサービスを提供します。
02 UCS(ユーザー中心設計)によるUI/UXデザイン
実際にそのサービスを使うユーザーを調査、分析しながら、人間中心設計を元にデザインを行なっていきます。
03 スピード感をもった開発体制の構築
要件定義で定めた機能の中から優先度の高い重要なものから、アジャイル・スクラム開発を用いて開発することでサービスインまでの期間を短縮。素早いリリースを実現し、機能の追加などのブラッシュアップを行います。
ベトナムにおける日系No1*1という知名度の高さと20,000人以上*2の候補者リスト*2を元に必要な人員リソースの確保が可能なため、スピード感をもった開発の実行が可能です。
04 累計290社の顧客のプロダクト開発実績
当社が創業以来、豊富なシステム開発・アプリ制作の実績があり、それらを通じて蓄積した知見やノウハウを持ち合わせています。企画段階から要件定義・デザイン・開発まで担当し、プロジェクトを成功に導きます。
05 低コストかつ自由度の高い開発
フルスクラッチ開発とパッケージ開発のいいところどりを実現。 フルスクラッチ開発だとコストが上がる傾向にありますが、当社はベトナムのリソースを活用することでコストを抑えられます。
また、パッケージ開発だと自由度が失われる傾向がありますが、当社はスクラッチ開発で顧客予算に合わせて、スコープを見定めながら、進めることができるので、低コストで自由度の高い開発が実現できます。
06 国際標準規格に則った品質管理体制
情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、「ISMS(ISO/IEC270001)」、ソフトウェア・テストの国際規「ISTQB Platinum Partner」の認証を取得しており、国際標準規格に則った品質管理体制を提供しています。
- 株式会社マイナビが運営するベトナムITエンジニア専門の求人サイトITviecは、給与・教育・マネージメント・企業文化・オフィス環境の観点から、Best Companyを選定。Hbrid technologies Vietnam Co., Ltdは、2019年と2020年に、日系企業で最高位に選出されました。
- 過去の当社へ応募頂いた開発候補者のリストです。応募のタイミングでリクルートシステムに登録し、常にそのリストから候補者へのリサーチできる体制を持っています。
システム開発の成功事例
システム開発での成功事例をご紹介します。
外国人の方の利用に特化した就職・進学ポータルサイト(株式会社GIG)
サービス内容
外国人の方の利用に特化した就職・進学ポータルサイト
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
今まで運用していたサイトが古く、メンテナンスが困難な状況だったことに加え、手作業で行っている部分が多くあるという背景からフルリニューアルで刷新することが課題であった。
目指したいサービス
今回開発する外国人向け就職・進学ポータルサイトにより、管理側および利用ユーザーにおいて以下の価値の提供を可能にすること。
・管理側は、アカウント情報の管理をシステム化し業務効率化を図ることができること。
・利用ユーザーは、多言語に対応した的確な情報をもとに就職・進学の手厚いサポートが受けられること。
クライアントの課題/要望
・開発部分のリソースが不足している
・予算やスケジュールに柔軟に対応していきたい
当社を選択していただいた理由
当社の幅広いリソースとスピード感を持った開発体制を評価いただいたこと
当社ご提案内容
外国人向け就職・進学ポータルサイトの開発
デザインや設計といった上流部分は、GIG社を中心に担当し、実装フェーズに移った際、円滑なスタートができるよう要件定義フェーズの一部において、日本人PMをアサインし、サポートしました。
実装フェーズではGIG社のライブラリを活用しつつ、ベトナムBrSEを中心にバックエンド、フロントエンドの開発を行いました。
まぐまぐ!リーダーアプリ (株式会社まぐまぐ)
https://www.mag2.com/app/reader/
サービス内容
まぐまぐ!で登録したメルマガコンテンツとまぐまぐ社が運営するメディアを手軽かつシームレスに閲覧できるスマートフォンアプリ「まぐまぐリーダー」
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
メルマガはメールのみ、メディアもそれぞれ独自のWebを持っているためユーザービリティが良くない点
目指したいサービス
まぐまぐ!で登録したメルマガコンテンツとまぐまぐ社が提供する4つのニュースメディアを横断して手軽かつシームレスに閲覧できるサービス
クライアントの課題/要望
・新規アプリ開発リソースの不足
当社を選択していただいた理由
内製での開発リソースを保持されていないことと、当社の幅広いリソースとスピード感を持った開発体制が、まぐまぐ様の開発ニーズに合致したため、当社を選ばれました。
当社ご提案内容
ラボ型(ストック)開発+保守にて提案
1.メルマガやニュースメディアといった多様なユースケースに、細やかに対応する開発体制
メールマガジン配信プラットフォーム事業の理解と学習から始まり、要件定義・設計・開発までをアジャイルスクラム開発で担当し、1週間ごとにクライアント様と成果物のレビュー会を行うことで、フィードバックを早いサイクルで受けることで、ユーザーの期待を超える価値体験を追求いたしました。 記事を読むという観点ではニュースサイトなどのメディアに分類されるサービスではありますが、既存の媒体がメールであるためにユースケースには多様性がありました。
2.毎日読む情報収集アプリとしてのファインダビリティとユーザービリティを考慮したUX・UI設計
メールアプリで閲覧するものだったメルマガをスマートフォンアプリで軽快に閲覧できる機能と、まぐまぐ社が提供する4つのニュースメディアを横断して閲覧できる機能を両立しつつ、スムーズに情報収集を行えるUX・UI設計を行いました。メインペルソナである多忙なサラリーマンの方の情報収集アプリとして、短時間での閲覧でも読みやすい視認性や可読性を重視した白基調の配色とタイポグラフィの設定を行い、ボタン類のアクション要素は見落とされない配色設計や、押しやすいサイズ設計、リアルタイムデータベースを使用した同期的な処理、まとめ読みや読み返しが快適にできるようにローカルデータベースを使用したオフラインファーストな設計をすることで既存サービスのユーザー体験をスマートフォンアプリでも損なわないように配慮しました。
Fimple Credit (H.I.F.株式会社)
https://www.hifcorp.co.jp/fimple-credit/
サービス内容
与信における企業信頼度を可視化するWEBサービス
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
難解な債権回収リスクの与信判断を、AIを活用して効率化・高精度化できるかという点
目指したいサービス
H.I.F社が独自に収集したデータを元に各企業の与信における信頼度をスコア化し、Web上で手軽に検索・確認することを可能にするサービスを目指しました。
クライアントの課題/要望
・開発リソースの不足
当社を選択していただいた理由
別案件での提案の際のデザイン案が非常に良かったことがあり、短納期の中でも充分に任せられるスピードとクオリティと判断頂き、当社を選ばれました。
当社ご提案内容
ラボ型(ストック)開発にて提案
密なコミニケーションで最適な上流設計を提案
デザイン作成と合わせて画面遷移図と、各画面の要件定義資料の作成を実施。開発フェーズを担当するベンダーへの詳細説明まで弊社が行うことでお客様のシステム開発全体が滞りなく進むよう配慮いたしました。 また短納期ということもあり、お客様からフィードバックをいただく機会を通常以上に密に設けました。早い段階での問題発見・方向修正を心がけ、最適なユーザー体験をクライアント企業様と一緒に、練り上げることができました。
Web 相談予約システムの新規構築(大手物流会社)
サービス内容
窓口相談を事前に予約できるWebアプリ
窓口での相談日時を利用者が事前に予約できるようにし、企業と顧客双方にとって利便性を向上するWebアプリの開発案件です。
サービス上の課題/目指したいサービス
課題
利用者からの問い合わせは、常に窓口で対応している背景があり、
窓口で順に受け付けていたが、待ち時間が長く、顧客から不満の声が上がっていた。
目指したいサービス
・顧客の利便性(満足度)を向上すること。
・システム導入の周知により金融相談業務の認知度を向上させること
・システム導入による効率的な要員配置を目的として、顧客がWeb 上で事前に金融商品に関する相談日時を予約できるシステムを新たに構築すること
クライアントの課題/要望
・社内で開発体制を保持していないこと
・Salesforceを業務の基幹システムとして利用されているため、Saleforceでの機能開発が必須
・金額をミニマムに抑えながら安定的な運用を実現したい
当社を選択していただいた理由
・日本国内での開発より大きな価格メリットがあったこと
当社ご提案内容
受託型開発(フロー)にて提案
1.Salesforceを活用し、ミニマムコストでスピード感を持った機能開発
Salesforceを活用することで0からインフラを構築せずに素早く開発環境を作成することが出来ます。Salesforceの標準機能を基に必要な機能をカスタマイズして開発することで、スピーディな開発〜実装を可能としました。
2.プログラム実装前にプロトタイプ作成し、スピードを保ちつつ認識ギャップを防止
プログラム実装前にプロトタイプを作成することで、リリースというゴールまでスピード感を保ち、的確にコミュニケーションをおこないながら、認識ずれが生じないよう努めました。
3.Salesforce準拠のセキュリティ基準を担保
開発と合わせ、Salesforce準拠のテストコードを作成し、テストを実施することで、リリース後の不具合が発生しにくく、運用保守コストも抑えることができます。またすでにクライアント様が使用されているSalesforceの機能拡張のため、セキュリティー面は今までと同様のものが担保されます。安心感を持ってシステムをご使用いただき、クライアント様、エンドユーザー様双方からご好評いただいています。
その他システム開発事例
ハイブリッドテクノロジーズでは、その他にもモバイルアプリや業務用アプリケーションまで、多種多様な290社以上の制作実績がございます。
システム開発をご検討の方はぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
システム開発の外注が成功するかどうかは、経験やスキルが豊富な開発会社を選択できるかといった点に大きく左右されます。また、希望するシステムの機能を説明し、認識をすり合わせる工程も欠かせません。
開発側のスキルはもちろんですが、依頼者側がシステム開発について基本的な知識を身につけておくことも大切なポイントです。本記事でご紹介したシステム開発の流れや、携わる役割などを把握し、円滑な打ち合わせを目指しましょう。開発会社選びで失敗してしまう可能性も減らせるかもしれません。
システム開発の外注先でお困りの方は、ハイブリッドテクノロジーズへの相談もぜひご検討ください。